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2020.10.26

目指すのは世界規模の「機会の平等」。民間版の世界銀行を作る|五常・アンド・カンパニー 慎 泰俊#1

五常・アンド・カンパニー 慎 泰俊

「民間版の世界銀行」を目指す五常・アンド・カンパニー。2014年7月創業から急成長を遂げ、2020年8月末時点でインド・カンボジア・スリランカ・ミャンマーに3400名を超えるグループ従業員を擁し、顧客数は57万人、融資残高は270億円を突破。

2019年9月にはDIMENSIONも含めた投資家から42.2億円のシリーズC資金調達を実施、2020年4月のシリーズD資金調達の第一回クローズ23.3億円に続き、同9月には海外機関投資家を中心に20.2億円のシリーズD追加資金調達を発表し、2014年7月の創業からの累計資本調達額は120億円に達しました。そんな同社・代表取締役の慎 泰俊氏に起業家の素養、ビジョンなどについて、DIMENSIONの下平将人が聞いた(全3話中、第1話)

*情報は2019年11月5日現在のものです。


──起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとするとなんでしょうか?

私は起業してからまだ5年しか経っていないので、あくまで暫定的な答えとして聞いて欲しいのですが、1つめは「志・ビジョン」、2つめは「諦めないこと」、3つめが「自分より優秀な仲間を連れて来られること」だと思います。

──1つめの「志・ビジョン」について具体的にお聞かせください。

私は世界最大の起業家支援コミュニティ「エンデバー」の日本のボードメンバーをさせていただいているので、様々な国で選考会に参加する機会があるのですが、ある著名なアメリカのベンチャーキャピタリストがテック系スタートアップの起業家を評価する際に「この人は本物の起業家じゃない」と言ったことがありました。

私が「なぜそう思うのですか?」と聞いたところ、「彼はテクノロジーには強く、将来の見通しがついてはいるが、現実を見据えてそれと妥協したり闘いながら物事を前に進めようとしていく姿勢が見えない。」と話していたのです。

私もその通りだと思っていて、仕事を通じて社会のあり方をちょっとでも変える、人類の歴史を一歩でも前に進めるというのが起業家の仕事だと考えています。「志・ビジョン」を描き、その実現のために地道に現実と折り合いをつけていくこと、そのために自分より優れた仲間を連れてこられることが起業家たる条件だと思っています。

──慎さんのビジョンを改めてお聞かせください。

私のビジョンは「誰もが自らの宿命を乗り越え、よりよい人生を勝ち取る機会をもつ世界をつくる」こと。言い換えるなら「機会の平等」です。生まれたときの初期条件が何であっても、誰でも何にでもなれる自由があると、世界のすべての人が思える世界をつくりたいと思っています。
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文=下平将人 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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