キャリア・教育

2020.10.21 14:00

日本のジェンダーギャップはいつ埋まる? Waffleのふたりが目指す未来 #30UNDER30


斎藤とは19年春にツイッター上で知り合った。当時、斎藤はスタートアップでデータサイエンティストとして働いていた。IT分野のジェンダー格差に課題意識を持っていた2人は、いつしかオンライン上で意見交換するようになった。

その夏、2人で初めてランチをした。当時、田中はアフリカのSTEAM教育系NPO団体「iamtheCODE(アイアム・ザ・コード)」が日本で開催する中高生向けハッカソンの運営全般を任され、「大変すぎて泣きまくっていた」(田中)。とにかく人手が足りない。そう話すと斎藤が言った。「私、やるわ」。

「成功させなきゃいけない、だから手伝うって言いました。私もやりたいことだったし」(斎藤)
 
突如現れた“助っ人”のおかげもあって、19年11月に開かれたハッカソンは100人以上の女子中高生を集めることに成功。田中はWaffleを法人化し、20年5月には共同創業者として斎藤が参画した。そしてわずか3カ月のうちに、冒頭で紹介したWaffleCampのプログラムを完成させた。

「私はゼロイチが得意なんですけど、彼女は1から10まで全部やれる。お互いができること、できないことがはっきりしているので、うまく役割分担できています」(田中)
 
その勢いは止まらない。9月には、第5次男女共同参画基本計画に対するユースの提言書を、他のユース団体と共に橋本聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)に提出。その数日後には、東京都主催の女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」の第5期生に採択された。

「20代前半はスキルもなく、ただ夢だけがあるみたいな状況だったけど、1日たりとも諦めたことはなかった。志を高くもっていたらやれる。それを、やっと体現できている感じがします」(田中)
 
撮影中、田中を形容する言葉として斎藤が黒板に書いたのは、“The most confident woman”。誰よりも自信にあふれた女性─。例えばそれは、2人のこんなやり取りに垣間見ることができる。

「ジェンダーギャップってジェネレーションギャップ。だから年代が変わればきっと薄まっていくけど、日本のジェンダーギャップは私たちの時代では終わらないと思うんだよね」
 
そう斎藤が漏らすと、すかさず田中がこう返す。

「終わるよー!」




Waffleのお二人も登壇!
11月7日(土)13:30〜「ONLINE FES.」開催!
事前視聴登録を頂いた方々限定で、当日質問も受付いたします!
是非、ご視聴ください!

・ZOOMでの視聴登録はこちら
・詳しくは特設ページへ


斎藤明日美(さいとう・あすみ)◎1990年生まれ。米・アリゾナ大学で計量経済学の修士号取得後、ベンチャー企業などでデータサイエンティストとして活躍。2020年5月より共同創業者としてWaffleに参画。

田中沙弥果(たなか・さやか)◎1991年生まれ。2017年にNPO法人みんなのコードに入社。19年に一般社団法人Waffleを設立し、CEOに就任。教育起業家、情報経営イノベーション専門職大学客員教員。

文=瀬戸久美子、写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN No.076 2020年12月号(2020/10/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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