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渡邊:また、富岡さんたちは起業家として「イーロン・マスク」をベンチマークしていた。「上場して時価総額4桁億円(=ユニコーン)を目指す」という話には全く興味がなかったことも惹かれました。また、「未来の拡張労働力」の話にも感動しました。

富岡:機械による生産性と労働者の報酬が、共に上昇していた状況から1972年に分岐。60年代に産業用ロボットが米GMの工場に導入され、生産性は上がる一方、労働者の報酬は上がらない状況が続き、その差はますます拡大していきました。つまり、ロボットによる生産性の向上の利益が個人に回っていない。ロボティクスの会社として「本当にそれでいいのか」と。

ロボットを工場の外で使い、個人がロボットを資産として持ちながら、ロボットが働くことで、人がより意味のあることに時間を使えるのではないか。「5G」時代に、遠隔存在の技術を用いたロボットを使い、労働力を拡張していくという話ですね。

渡邊:今後の富岡さんへの期待は、時価総額1兆円企業になってもらいたい。同1兆円だと、売り上げ1000億円以上が必要になる。その規模になるか、ならないか、は創業前に決まる。Telexistence社はそれをクリアしているし、かつ、来るべき未来を人類規模で描けるスタートアップでもあると思っていますから。

富岡:100倍成長以上の結果を求められていますね(笑)。ロボットの世界には「モラベックのパラドックス」という言葉があります。ロボットに簡単なことは人間に難しく、人間に簡単なことはロボットには難しいという意味。僕らは、これをブレイクスルーしたい。これができると、人間の生活領域に近いところでロボットが働くと言うのが見えてくるし、100倍成長も見えてくる。

その手始めが、コンビニであり、小売りです。究極は、ロボットが働いて、人間は好きなことをやる「不労の世界」をつくりたいですね。カルトチックですが(笑)。


わたなべ・ひろ◎DEEPCORE Director,Incubation&Investment。個人でスタートアップへの投資・支援を行いながら、AI特化型インキュベーター兼VCのDEEPCOREへ2017年に参画。主な投資先は、New Innovations、Liaro、BABEL、ChillStackなど。

とみおか・じん◎Telexistence(テレイグジスタンス)代表取締役CEO。スタンフォード大学経営大学院修士。2004年に三菱商事に入社。16年にシリコンバレーのグロースキャピタルファンド「Geodesic Capital」を組成。2017年1月に同社創業。

文=山本智之、写真=平岩 享

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