4年目でキャプテンに就任。DeNA佐野恵太に訪れた考え方の変化


他チームを見渡せば同じ年齢ですでにチームの顔になっている。例えば、広島東洋カープには4番を任されている鈴木誠也がいる。これからは結果も求められていく立場でありながらも、チームをまとめていく役割でもある。

「キャプテンはみんなが見ているポジションだと思います。だからこそ、自分の成績に一喜一憂はしていられません」

null
(C)YDB

佐野はチームを引っ張るキャプテンに与えられた責任をこう考えている。自分の結果が出ていなくても、良い雰囲気を作ること。これまではその環境が周囲によって用意されてきた。100%自分のことだけを考えて、日々の練習や試合に挑むことが出来ていたが、今年はその雰囲気づくりを担うことになった。

「とにかくチームのことを考えて、みんなが良い雰囲気で練習出来たり、試合に入れたりすることが大切。それを常に考えていました」

自分の色を出してやっていくだけ


昨年までキャプテンを務めていたのは、圧倒的な実績を誇っていた筒香嘉智だ。野球以外の私生活の部分でも誰が見てもしっかりとした考えを持ち、チームを引っ張っていた。佐野にとってはプロで唯一背中を見てきたキャプテンの存在。「筒香さんみたいな人が理想のキャプテンだと思っています」と語るように、理想像は常に頭に浮かんでいる。だが、必ずしも佐野が目指すのは同じキャプテンである必要はない。

「筒香さんがやっていたことを真似しても同じように出来ると思っていないので、自分はとにかく自分の色を出してやっていくことだけ意識しています」

若手が多いチームの中では、25歳である佐野も後輩に気を配る年齢に差し掛かってきていた。これまでは下の立場でコミュニケーションがとりにくいと感じることはなかった。今度は後輩がより野球がしやすい環境、雰囲気を意識して積極的に声をかけている。「風通しの良いベイスターズの特徴をこれからも保ち続けたい」と意気込む。

null
(C)YDB

キャプテン就任時にラミレス監督から言われた「何も変えなくて良い」という言葉。それを胸に秘め、佐野は自分らしい形でシーズン終盤戦へ挑んでいく。

文=新川諒 写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事