ビジネス

2020.10.19

なぜネットフリックスの広告コミュニケーションは外さないのか?

渋谷駅で10月11日まで展開されていたネットフリックスの広告

「マーケティング感性」は時代のうねりを読み、マーケットの動きを見極めながら、自分の価値を無視させずに買ってもらうためのコミュニケーションを見極める感覚のことです。これを使えるようになると、世の中からスルーされずに「売れる」を創るコミュニケーションの手段が分かります。

ダイバーシティ社会と言われるようになって久しいですが、さまざまな問題が起こっています。先月は、東京都足立区で開かれた議会で、自民党議員が少子化問題に関連して「L(レズビアン)だってG(ゲイ)だって法律で守られているというような話になれば、足立区は滅んでしまう」などと差別的な発言をしたことに対し、批判が広がっています。

人の多様性を尊重するようになった時代の流れの中で、これまで看過されてきた差別に多くの人が気づき、見過ごさないようになってきています。広告が炎上することもあるなど、より人権や多様性に配慮しなければならないと言われる中で、GOODな事例として注目を集めた企業の最新の広告をひとつご紹介します。

あたりまえのことを、あたりまえに言える時代へ


それは、ネットフリックスによる「カミングアウト・デーブランドキャンペーン」です。ネットフリックスコンテンツに登場するLGBTQキャラクターの印象的なシーンをそのままビジュアルとしてピックアップし、「この日、観てほしいシーンがある」の呼びかけのもと、「誰もが自分らしく生きられる世界とは何か」を考えることを世の中に呼びかけました。

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10.11 COMING OUT DAY
この日、観てほしいシーンがある

どんな相手を愛し、どんな恋愛を望み、
どんな自分らしさを求めるのか。
それは、一人ひとり違う。

自分らしく、ありのままに生きることは、
誰にも否定できないということを、
このシーンは教えてくれる。

10月11日は、カミングアウトデー。
色んな性のあり方を認め合い、
誰もがオープンに出来る世界を語り合おう。

違ってあたりまえ。
そう思う人が増えれば、
カミングアウトなんていらない。
それは、自然な会話のひとつになっていく。

あたりまえのことを、あたりまえに言える時代へ。
NETFLIX
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文=阿佐見綾香

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