同社は2月以降に85億ドルを調達しているが、株式や借り入れなどで新たな資金を調達し、負債の返済などに充てる見通しだ。
ロイヤル・カリビアンの株価は13日の市場で一時、13%の急落となりS&P 500で最大の下げ幅を記録した。同社の競合であるノルウェージャンとカーニバルの2社の株価も、それぞれ8%の下落となった。
ロイヤル・カリビアンは少なくとも11月30日までの期間、傘下の4ブランドのオペレーションを中止すると述べている。同社の13日の開示資料における唯一の前向きな報せと言えるのが、過去2カ月間の間、2021年の予約が伸び続けていることだ。しかし、予約件数はパンデミック前の水準を下回っている。
クルーズ船業界は、最も早い段階でパンデミックの影響を受け、その後も苦境から抜け出せていない。米国のCDC(疾病予防管理センター)は3月14日に運行停止命令を出しており、これらの企業は10月31日までの9カ月近くの間、主要な収入源を失っている。
ロイヤル・カリビアンによると、CDCからはその後、停止命令の期限についての通達は無いという。昨年は650万人以上の利用者数を記録した同社は、米国2位のクルーズ船業者であり、首位のカーニバルに次ぐ規模だ。これらの2社にノルウェージャンを加えた3社の売上は、米国のクルーズ船市場の65%以上を占めている。
ロイヤル・カリビアンは10月30日に、そしてノルウェージャンは11月6日に決算発表を予定している。アナリストらは2社の売上の99%以上が失われると予測するが、ここで注目されるのは、両社がどのようにコスト削減を行ない手元のキャッシュを活用するかだ。
13日にロイヤル・カリビアンは一月あたり2億5000万ドルの損失を生み出していると述べた。カーニバルの9日の決算発表では、ここ数カ月の一月あたりの損失の平均が、7億7000万ドルに達していた。
ロイヤル・カリビアンは2020年から2021年にかけて、44億ドルのコスト削減が必要になると述べていた。