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2020.10.26 07:00

グーグルが描く日本の未来図。カギはスタートアップエコシステムにあり

Google for Startups Japan、アクセラレータプログラムの様子(画像提供:Google)

Google for Startups Japan、アクセラレータプログラムの様子(画像提供:Google)

「日本のスタートアップ・エコシステムは着実に成長を遂げてきた。そして、さらに豊かになるための大きな潜在力を秘めています」

Google for Startups Japanのトップ・Tim Romero氏は、インタビュー冒頭、そうはっきりと自身の考えを言い切った。そして次のように言葉を続けた。

「世界中にお金は行き交っている。ただお金がイノベーションをつくる訳でない。人がイノベーションを生み出すのです。人間が連携すればイノベーションが生まれますし、イノベーションが生まれればお金やビジネスもついてくる。重要なのは、『Pay it Forward』の文化を醸成し、人と人の連携をさらに積極的に生み出す環境を整えていくことです」

Romero氏は、日本のスタートアップシーンの“歴史”を真横で見守り続けてきた人物だ。1998年に日本でスタートアップを立ち上げて以来、合計4社を起業。ファウンダーとして活動する傍ら、投資家やメンター、そしてスタンフォード大学や東京大学で日本のイノベーションやスタートアップに関するレクチャーを行う教育者として活躍する日々を送ってきた。そんな彼白羽の矢が立ったのは2019年のこと。翌年2020年1月、Google for Startups Japanのトップに正式に就任した。


Google for Startupsの日本統括を担当するTim Romero氏(画像提供:Google)

日本のスタートアップ・エコシステムは、米国や中国など世界各国と比較され「何かが足りない」と、国内専門家やメディアによってネガティブに評価されることが少なくない。しかし、Romero氏の評価は真逆だ。とてもポジティブに日本の状況を捉えている。

「何事も上手くなるには練習や経験ありきです。日本とサンフランシスコを比べれば、遅れを取っていると感じるかもしれません。しかし、2000年の日本と現在の日本を比べれば驚くべき成長を遂げていることが分かります。約20年前、我々がスタートアップを立ち上げた時には、日本の大手企業と取引ややりとりをすることはほぼ不可能で、下請けの、下請けの、下請けと仕事を始めなければなりませんでした。それが今では、多くの大手企業がスタートアップとやり取りできる専門部署を設けています」
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文=河鐘基

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