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2020.10.30

伝統x革新で「未知」へと挑む オープンイノベーション300億円の衝撃

日本生命保険相互会社総合企画部イノベーション開発室長 國村祐規

国内外のスタートアップ企業等へのイノベーション開発投資枠は300億円。日本生命の本気度の表れだ。
日本国内では異例のメガスケールでオープンイノベーションに挑む理由とは。


なぜいま、業界最大手の日本生命がオープンイノベーションに力を入れるのか―それをひと言で表現するならば「危機感」にある。

「これまで『生命保険業はどんなことがあっても大丈夫。そう簡単に危機的な状況にはならない』という安心、もっと言えば、慢心がありました。しかし、昨今、デジタル化が加速度的に進み、アメリカでは800万円以上もする高級車をネットで買う時代になっている。社会の価値観、お客様から求められる要望は多様化しています。我々だけですべてできるという前提に立ち、物事を考えるのは非常に危険だと感じています」と語るのは、イノベーション開発室長の國村祐規だ。

例えば、販売員と顧客が会わなくても、デジタルを活用して保険内容を説明し、販売できるようになるかもしれない。また、多くの顧客をもち、先進デジタル技術の導入に積極的なプラットフォーマーなどが、業態や業界の枠を超えて保険業界に参入してくるかもしれない。この“かもしれない”が現実になったとき、日本生命はどのように戦い、そして勝つのか。

それには、「まずデジタルを先取りするために他社・他者から謙虚に学び、一緒にビジネスに取り組む。そして『生命保険×デジタル』。つまり、生命保険の知識と、デジタルの知識をかけ合わせ、日本生命だからこそできる事業、かつ、日本生命だけではできない事業を立ち上げて、発展させていく必要があります」。

伝統があるからこそ革新を起こせる


社内にある経営資源や技術に頼るだけでなく、社外と協業し、お互いの技術のノウハウ、アイデアを共有しながら新規事業開発を担う組織として、2018年3月、イノベーション開発室を設立。東京・シリコンバレー・ロンドン・北京のグローバル4極で活動し、イノベーション開発投資枠を300億円に拡大した。さらに2020年4月、オープンイノベーション拠点「Nippon Life X」を開設、同年8月、オフィスを東京・大手町にある「FINOLAB」へと移転し、オープンイノベーションを推進しつつ、革新的なビジネスやサービスの仕組みを模索している。

「『FINOLAB』は共有ワーキングスペースです。単独のオフィスではないので、いままではアポを取らないと会えないようなデジタル系の会社、とりわけフィンテック系スタートアップ企業の方々が集まっています。偶然の出会いがあり、それがイノベーションを生む可能性が高い。さらなるイノベーションの推進には最適だと考えて移転しました」



日本生命には、いままで築いてきた、伝統、信頼、ネットワーク、そして強固な自己資本がある。スタートアップ企業が同じことを思いついたときビジネスにできなくても、日本生命ならビジネスにすることができる。「スタートアップ企業と同じ土俵で戦うのではなく、『こういう所に注目するのはいいね』といった革新性のあるアイデアや、いまは小さくても今後伸びていきそうだという市場の見通しを立てながら協力していく。

そして日本生命の『伝統』と、社外の先進的な技術やノウハウから生まれる『革新』をかけ合わせ、化学反応を起こしていきたいですね」


オープンイノベーション拠点として、グローバル4極(東京・シリコンバレー・ロンドン・北京)で活動。各地で調査、投資、そして事業化を行う。

発案者が社長になる社内起業プロジェクト


現在、「Nippon Life X」では社内起業プロジェクトを進めている。内務職員約2万人から新規事業のアイデアを募集。募集分野は、ヘルスケア、子育て・教育、働き方・ダイバーシティ、資産形成の4分野。アイデアの発案者自らが社長になり、そのアイデアとスタートアップ企業の技術・ノウハウをかけ合わせることで事業化を目指す。「イノベーションには想定していた障害だけでなく、思いがけない壁が立ちはだかります。本気でやりたいと思うパッションがないと実現できない。義務感とイノベーションは食い合わせが悪いんですよ。だから自発的な『募集』という形式にこだわりました」。そう語る、國村の発言に熱がこもる。

集まったアイデアは実に423件にものぼる。そこから9月半ばには9件に絞り、12月にさらに絞られるという。アイデアの一例として、一時保育利用希望者向けマッチングサービス、食物アレルギーがある子どものための食事記録・共有サービス、保険料を1円単位で各種保障に割り振り、適宜見直しができる保険・管理サービスなどがあるそうだ。

いまはまだアイデアの種に一生懸命水をあげている時期だ。花開くまでには時間がかかる。それ以前に、芽が出ないこともあるかもしれない。しかし、集まったアイデアを見て國村は確信したという。「30代後半から40代というマネジメント側の人たちからの応募が多かったことは意外でしたが、彼らのアイデアはお客様にとってお金を払う価値があるかどうかという視点に立っていた。

まさに『経験×斬新な発想』から生まれたソリューションまで考え抜かれたビジネスアイデアでした。このアイデアとスタートアップ企業の技術・ノウハウをかけ合わせ、一緒にビジネスを立ち上げることで初めて、イノベーションを起こせるものと信じています」。

今日も「Nippon Life X」のメンバーが発案者と共に、ビジネスパートナー探索やテストマーケティング等、事業化に向けた取り組みにまい進しており、実現する日もそう遠くないだろう。

Nippon Life Xが見据える未来


新規事業開発にあたっては、「WHYニッセイ」―なぜ日本生命がやるのか、という点を考慮することも忘れない。そのためには前提として、自社の「強み」と「弱み」を知らなければならないと國村は言う。

加えて、「いままで会社の財産だとは思っていなかったものが、ほかからはそう見えることがあって、うれしい意外な指摘を受けることも少なくありません。まだまだ我々自身が気づいていない潜在能力があるのではないかと感じています」。そういった観点においてもオープンイノベーションに取り組む意味はあるようだ。

日本生命のオープンイノベーションの最大のゴールは何か。ひとりでも多くの人の人生を豊かにすることにある。「それは便利を超えた豊かさ。心を満たすことです。単品単発の瞬間的なものではなくて、10年後、もっといえば人生を振り返ったときに、日本生命に関わったすべての方々に『本当に豊かになったな』と思っていただくことです。そのような未来を実現するためにも、いろいろな方々と協業して取り組みを進めていきたい」。

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Nippon Life X
https://www.nissay.co.jp/kaisha/nipponlifex/


「FINOLAB」にはフィンテック系スタートアップの社員などが集い、通常とは異なる出会いがある。それがイノベーションを生む可能性を高めている。

國村祐規(くにむら・ゆうき)◎日本生命保険相互会社総合企画部イノベーション開発室長。1999年入社。人事、企業融資、豪州現地法人駐在等を経て、2019年より現職。プライベートの楽しみは娘たちとのディズニー巡り。

Promoted by 日本生命 / text by Yumiko Tan / photograph by Munehiro Hoashi (AVGVST)

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