長期的に見て、偽造品問題の最善の解決策は、ブランドが販売に関わることだ。なんといっても、本物と偽物の複雑な細部に関する知識のほとんどはブランドが持っている。ブランドがリセール市場に関われば、偽造品の一掃に一役買う可能性はきわめて高いだろう。
グッチはザ・リアルリアルと提携する最初のブランドではない。バーバリー、ステラ・マッカートニーに続く3ブランド目だ。そして、こうした提携はどれも、偽造品撲滅を目的としたものではない。少なくとも、公式にはそのような説明はされていない。これらの提携は、消費者に対して、自分の使った品をザ・リアルリアルにゆだねることやそこでの購入を促すことを目的としたマーケティングパートナーシップだ。
だが当然のことながら、ブランドとすれば、偽造品がオンラインで販売されていたら、つまり、みずから消費者を誘導したサイトで自社製品の偽物が売られていたとしたら、それを傍観することはできないだろう。彼らは、ブランドの信頼性を守るために行動を起こさざるを得ない。
今回発表されたグッチとの提携は、マーケティングに関するものだ。グッチは最高級の有力ブランドのひとつであるため、ほかのブランドもこの提携に注目し、いずれはさらに多くのブランドが加わることになるだろう。
各種ブランドがリセールに関わるようになれば、偽造品問題を無視できなくなる。オンラインでの偽造品販売を防ぐために、中古品販売業者を支援する方法を模索する必要に迫られるはずだ。長期的に見れば、販売プラットフォームの信頼性は、リセールビジネスの根本的な価値と言える。それがなければ、このビジネスは存続できない。
各種ブランドは、リセールビジネスへの関与を深めれば深めるほど、偽造品問題に対する取り組みを避けてはいられなくなる。そうした事態は、リセールビジネスの未来を良いものにするだろう。