スポティファイは先日、ライアットゲームズと、eスポーツ分野での初の提携を発表。世界でもっとも人気のあるeスポーツのひとつである『リーグ・オブ・レジェンド』の公式オーディオ・ストリーミング・パートナーとなった。このゲームは、数億人のプレーヤーに加えて、YouTubeやSwitchに莫大な規模のオーディエンスを抱えている。
パートナーシップの一環として、スポティファイはオリジナルのオーディオコンテンツを制作するほか、専門のハブを開設する。『リーグ・オブ・レジェンド』コミュニティにインスパイアされた新しい音楽やポッドキャスト、プレイリストを集めたハブだ。コンテンツの第一弾は、9月25日に開幕した2020年世界選手権の公式アンセム(テーマソング)制作の舞台裏を紹介する内容だ。
世界選手権のアンセムは、大会に欠かせない重要な要素だ。過去の大会では、イマジン・ドラゴンズやゼッドなど有名アーティストが参加してミュージックビデオが制作された。音楽世界とeスポーツ世界のクロスオーバーであり、双方のファンに訴える、またとない機会だ。
このパートナーシップは、当然ながらマーケティング要素を含んでいる。スポティファイは、5試合制の最終戦の「プレゼンティング・パートナー」を務める。『リーグ・オブ・レジェンド』ファンのあいだでは、シリーズ第5戦の前に流れる曲『Silver Scrapes』が非常に人気が高いからだ。
スポーツオーディオは、BBCのような確立された放送局と、スポティファイやThe Athleticなどのデジタルメディア企業が火花を散らす、熾烈な争いの場になりつつある。The Athleticは、Muddy Knees MediaやTifo Footballを買収し、多くのスポーツチームを擁しつつ、スポーツ専門ポッドキャストを米国と英国の両方で展開している。
一方、eスポーツと音楽のクロスオーバーは成長分野であり、レコーディングアーティストやレーベルは、プロゲームの世界にチャンスを見出している。スポティファイは、こうした新機軸をすべてカバーする攻めの姿勢を見せている。