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COURTESY OF ASPETTO

米国の防弾服メーカー「Aspetto」の共同創業者兼CEOであるAbbas Haiderは、コロナ禍で事業が打撃を受けることを懸念していた。バージニア州フレデリックスバーグに本拠を置く同社の主な顧客は連邦政府機関だ。

「防衛関連の契約の多くが個人用の防護具(PPE)に流れ、売上が低迷すると思っていた」とHaiderは話す。

しかし、Haiderの予想に反してAspettoの事業は急成長している。売上高は、2019年の200万ドルから1250万ドル(約13億円)に拡大する見込みだ。Haiderともう1人の共同創業者であるRobert Davisは、いずれも30歳だ。

同社の今年の受注額は既に1400万ドルに達し、来年の売上高は2500万ドルを超える見通しだという。Aspettoは、年初から米空軍の女性兵士用の装備や、国土安全保障省向けの防弾ベスト、国税庁向けの防弾盾、連邦刑務局向けの防刃ベストなど、数百万ドルの受注を獲得している。

「成功の秘訣はイノベーションだ。他社より優れたソリューションを軍に提供できたのは、我々がファッションという、これまでと異なる視点で製品開発を行ったからだ」とHaiderは話す。

従来の防弾ベストは実用性が重視されていたが、Haiderはファッション性に優れた製品の開発を思い立った。彼は、メアリー・ワシントン大学に在学中にクラスメートだったDavisとチームを組み、2008年にAspettoを設立した。2人は、連邦政府機関が治安の悪い地域に滞在する職員向けに、見栄えの良い防弾服を購入すると予想した。

政府機関の男性用スーツはスタイリッシュだったが、防弾性能を備えたものは3500ドルも追加でコストがかかっていたのだ。彼らの読みは当たり、会社は急成長を遂げた。2人は、フォーブスが発表する製造業分野における「30アンダー30」に選出された。

Aspettoの従業員数はわずか12人だが、現在ではファッション以外の軍用製品にも手を広げている。大手の軍事請負企業との入札で勝利するケースもあるという。「我々は業界の異端児だ」とDavisは話す。

編集=上田裕資

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