ビジネス

2020.10.17 17:00

お洒落な「防弾服」で急成長、米Aspettoを生んだ30歳起業家たち


Aspettoは、6月に米空軍から女性兵士専用ギアの納入業者に選定された。「我々は、複数の業者の1社に過ぎないと思っていた。空軍の担当者に電話をし、他に何社が選ばれたか聞いてみると、我々だけであることがわかった」とHaiderは述べた。

Haiderによると、他国の政府も米空軍のサプライヤーを採用するケースが多く、空軍の入札を獲得できたことは非常に大きな意味を持つという。実際、米空軍がAspettoとの契約を発表した直後に、オランダやオーストラリアの軍から問い合わせを受けたという。

Haiderによると、政府請負業者の中で異端児でいることは簡単ではないという。Aspettoは、これまでに何度も著作権侵害で訴えられたり、他社を訴えたことがあるという。「成功すると、他社から標的にされる。新参者であればなおさらだ。ある展示会でエレベーターに乗り合わせた人から、他社が追いかけてくるぞと警告された。もちろん、意に介さなかったが」とHaiderは話す。

Aspettoは現在、小規模なサイバーセキュリティ企業の買収を進めており、近くこの分野に参入する予定だ。サイバーセキュリティにおいても新参者だが、軍との契約を獲得する上では、既存の契約が役に立つという。

「我々は防弾服業界に参入したときも、製品に関する知識はあまりなく、事業を通じて学びたいと考えていた。我々は、防弾服の分野で革新的な製品を開発し続けると同時に、事業の多角化を進めていきたい」とHaiderは話す。

事業が拡大する中、Aspettoは過去2年間で大手企業2社から防弾服事業の買収を打診されたという。Aspettoは、これまでに外部から資金調達をしたことがなく、HaiderもDavisも自社の価値がわからないという。他にも何度か買収提案を受けたが、全て断っている。

「我々はビジネススクールを卒業したエリートではないが、事業を通じて多くのことを学習している」とHaiderは語った。

編集=上田裕資

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