本アワードは2017年から毎年開催され、今年で4度目。群馬県、千葉県、静岡県、石川県、岐阜県、大阪府、兵庫県、岡山県、島根県、福岡県、沖縄県から計13名が受賞し、これまでの受賞者は50名にのぼる。
協賛・後援には、電通やPR TIMES、LIFULL、NECソリューションイノベータ、Jリーグなどが名を連ね、志の高い公務員と志の高い企業団体がつながる場にもなっている。
毎年、受賞者の傾向は異なるが、今年の13名の受賞者を大別すると、地方創生のような「地域の活力を高める仕事」、水道や債権回収など「地味だけれども住民を支える仕事」、そして、教育のような「こどもを支援する仕事」の3つとなる。
そんな13人のすごい公務員たちを簡単にご紹介させていただく。
「巻き込み力」で地域を活性化
地域に大きなインパクトを与えたのは、「電通CP塾賞」も併せて受賞した島根県邑南町の寺本英仁だ。過疎化の影響で近隣の市町村では飲食店が激減しているなかで、10年間に44人の料理人を受け入れ、町立の「食の学校」などで3年間の研修を実施。7件の飲食店の開業を実現した。
また、地域の人たちに出資、応援を依頼し、料理人が0円で開業をできる「0円起業」のスキームを確立させた。この取り組みで、寺本は地域おこしのトップランナーとして、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」でも取り上げられた。
邑南町の寺本英仁さん
同じく地域に大きく貢献したのは、石川県能登町役場の灰谷貴光だ。地域の過疎化が続くなか、自らがイカの被り物をかぶり、前面に立ってさまざまな手法で「まちおこし」に挑戦。東京大学や関西学院大学、金沢大学、北陸大学、さらにはリクルート主催の合宿型フィールドワークを巻き込むなど、能登へと人を呼び込んだ。学生との商品開発にもこぎつけ、新商品を生み出し、販売した。
能登町の灰谷貴光さん
千葉県流山市の河尻和佳子は、「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」というキャッチコピーで市の知名度を飛躍的に高め、人口増加に繋げた立役者だ。
河尻は流山に住むことに誇りを感じられるように、市民と一緒に「まち」を盛り上げる活動を進化させ続けている。
そんな功績もあってか、市民がアワードの受賞を願って過去の河尻の活動や出来事をまとめてアピールした。公務員は市民から批判が集まることも多いのだが、こうした支持を集めるのは異例とも言える。
流山市の河尻和佳子さん