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Photo by Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

米国の制裁措置の強化により、中国のファーウェイの通信ネットワーク分野での覇権や、5G分野の主要プロバイダを目指す努力が台無しになりつつある。そんな中、同社の競合の動きが活発化している。

ファーウェイの撤退によって、ノキアやエリクソン、サムスンなどの企業は、年間 270 億ドル(約2兆8500億円)にも及ぶ新たな機会をつかむことになる、と Rosenblatt Securities のアナリスト Ryan Koontz は述べている。

ファーウェイの通信機器は、米国内ではほとんど使われていないため、制裁の影響が及ぶのは主にアジアやラテンアメリカ、欧州の市場になる。欧州の通信分野の大手は既に対応を進めており、ノキアは10月9日にフランスの通信大手「オレンジ」やベルギー本拠の「プロキシマス」との間で、ベルギーの5Gネットーワーク構築に向けた契約を獲得したと発表した。ノキアによると、現地の通信キャリアは中国企業の技術を用いないよう、プレッシャーをかけられたという。

ベルギーの首都ブリュッセルにはEU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)の本部が置かれており、そこでの通信ネットーワークの構築は非常に重要な意味を持つ。

ノキアはさらに先日、英国最大の通信企業であるBTとも契約を結び、現地のファーウェイの通信機器を駆逐しようとしている。契約額は明かされていないが、調査企業EJL Wireless Researchは45億ドル近い金額と推測している。

ファーウェイのもう一社の競合であるエリクソンも、今後の数カ月で同様の取り組みをアナウンスする見通しだ。この動きは、10月8日に今年第3四半期の利益が前年同期比58%増の106億ドルに達する見込みであると発表した、韓国のサムスンにも恩恵をもたらすはずだ。

「ファーウェイが今後、以前のような勢いを取り戻すのは難しい」と、コンサルティング企業Eurasia GroupのPaul Trioloは述べている。ファーウェイの広報担当はフォーブスのコメント要請に応じなかった。

米国のトランプ政権は今年8月、海外の企業らに対し、米国のテクノロジーを用いて製造された半導体を許可なくファーウェイに販売することを禁じる命令を発動した。これにより、ファーウェイの通信機器分野での覇権や、5Gプロバイダーとしての主導権に終止符が打たれる見通しだ。

ファーウェイは米国の制裁措置の発動に備えて、数十億ドル相当の半導体を備蓄していたと見られている。しかし、アナリストらはその備蓄が1年程度で枯渇すると見ている。「ファーウェイは今後の数カ月程度で、部品の在庫切れに直面するはずだ」と、Koontzは話した。

編集=上田裕資

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