ビジネス

2020.10.17

深刻化するファッション業界のごみ問題 なぜ「デザインの見直し」が必要か

旧型のファッション業界体系が環境に与える影響は大きい(Photo by Unsplash)


一部の企業や関係者は、この方向に進むべく、革新的なビジネスモデルの可能性を実現し始めています。洋服のレンタルや再販の人気が急激に高まっています。RealReal、Rent the Runway、Depopなどの創造的破壊者が出資を行っていますが、これは従来のブランドが大きく遅れを取っている分野です。オンライン再販業者のThredupは、2022年には再販市場が合計で410億ドルに達すると予測しています。

フォーブス誌によると、繁華街にある古着屋は小売業界で最も急成長しているセクターで、2017年の11.6%アップに続き、2018年前半には7.6%増を実現しています。

洋服の「セカンドライフ」の可能性


ビジネスモデルの革新には、デザインの見直しが伴います。デザイナーは、ファッション業界の創造の中心です。ファッションを循環させるために不可欠なのは、そのデザイナーに循環性をデザインするツールを提供することです。今日ほとんどの洋服は、埋め立て地に運ばれたり、あるいは煙になる運命をたどりますが、商品を作るプロセス、商品の使われ方、使用後の処分方法を重視することで、デザイナーは洋服本来の価値を引き出すことができるのです。

思慮深いデザインと革新的なビジネスモデルを組み合わせることで、ある人にとっては役目を終えた洋服でも、数えきれないセカンドライフの可能性をもたらすことになります。こうしたルートの一つが洋服のリフォームやカスタマイズですが、交換、寄付、中古販売も挙げられます。安全かつ再生可能な素材を使い、再利用を前提に作られているのであれば、役目を終えた洋服をシステムに戻し、新しい洋服として生まれ変わらせることができるのです。

ファッションは独創的すぎて、現在のリニアモデルにおさまりきれません。循環経済は、未来を守るだけでなく、繁栄していく方法で、ファッション業界の熱意と創造性を活かす場になるでしょう。


(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Francois Souchet, Make Fashion Circular Lead, Ellen MacArthur Foundation

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