オックスフォード大学とアストラゼネカ社が開発を進めているワクチンは候補のひとつであり、現在、承認に向けた最後の関門となる治験第3段階に入っているにもかかわらず、英国はCOVAXに参加しました。
COVAXは、2021年末までに、20億回分のワクチンを利用可能にすることを最初の目標に掲げています。これは、リスクが高く脆弱な人、最前線に立つ医療従事者を保護するのに十分な量だと、GAVIは述べています。
パンデミックの解決には連帯を
COVAXの枠組みは、世界経済フォーラムの、持続可能な開発インパクト・サミットの初日に議題として取り上げられました。新型コロナウイルス感染拡大に関するバーチャル・セッションでは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のワクチン開発担当局長、アニタ・ザイディ氏が、来年半ばまでに広くワクチンの供給体制が整うとのWHOの予想と同じ見解だと述べました。
各国が自国民のための備蓄確保に走る「ワクチン・ナショナリズム」の危機を阻止し、貧しい国々にワクチン利用を保証するためには、COVAXのような世界的なアプローチが必要だと同氏は述べています。
また、ナイジェリアのオサギエ・エハニレ保健相は、同国が、このイニシアティブを強く支持することを表明し、パンデミックが世界的な性質を持つことと、団結が必要であることを強調しました。
「これは人類の問題です。ですから、人類にとっての解決策であるべきです」と、エハニレ保健相は述べています。
WHOによると、COVAXには各国政府、ワクチン製造会社、そして、その他の組織や個人が出資しています。これまで拠出された額は14億ドルにのぼりますが、さらなる資金が緊急に必要とされています。この枠組みは、今年4月、WHO、欧州委員会、フランスがパンデミックに対処するために立ち上げたイニシアティブ「ACTアクセラレーター」の柱のひとつになっています。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
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