・「COVAX」は、安全で有効なワクチンをすべての国に確実に供給することを目指しています。
・豊かな国はいずれかひとつのワクチン候補に賭けるリスクを避け、有望なワクチン群へのアクセスを得ることができるようになるでしょう。
・低所得国が、ワクチンが完成した時に、資金面での支援とワクチンに対する公平なアクセスを得られることを目指します。
・世界保健機関(WHO)は、来年には安全で効果的なワクチンが利用できるようになると予測しています。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の終息を現実的にする唯一の手段は、ワクチンです。しかし、ナショナリズムが台頭し、世界の協力体制が乱れているいま、豊かな国がワクチンを備蓄し、貧しい国が取り残される事態を確実に防ぐには、どうすればよいのでしょうか。
有望なワクチンに対して、全世界が公平にアクセスできるよう保証することを目指す計画があります。「COVAX」です。これは、WHOが、GAVIワクチンアライアンス、CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)などと連携して取り組んでいる計画で、これまでに156カ国が署名。これらの国々は世界人口のほぼ3分の2にあたります。(*10月9日時点で、参加国・地域が171に増加。)
WHO事務局長を務めるテドロス・アダノム・ゲブレイエスス博士は、各国はCOVAXのもとで「世界最大のワクチン候補群に確実にアクセスできる」と述べています。
COVAXは、安全かつ効果的な承認済みワクチンを調達し、世界各国に公平に分配していくことを目指しています。この枠組みには、既に高所得国64カ国が参加。欧州委員会との合意に基づき加わった「チーム・ヨーロッパ」の29カ国もこれに含まれます。一方、中低所得国の92カ国が支援対象となる予定です。
「資金と科学的資源をプールすることで、参加国はいずれかのワクチン候補が失敗する事態に保険をかけ、費用対効果の高い、的を絞った方法で有効なワクチンを確保することができます」。WHOはニュースリリースでこのように説明しています。