ビジネス

2020.10.11 10:00

小売業者が、子育てをする父親の存在を認めるべき4つの理由


3. 父親は準備に夢中になる


フォーカスグループに参加した父親の一人は、銃を入れるバッグを予備のおむつバッグに作り替えて車に保管していた。「こうした男性の多くは、子育てをする中で必要な汚い作業をスポーツや競争に変えてしまう」とコンスタンティナー。「一度もおむつを変えたことがないと自慢するのではなく、(…)どれほど早くおむつを変えられるかが重要なのだ」

4. 父親にとって大きな問題はエネルギー不足


コンスタンティナーによると、父親にとって大きな問題はエネルギー不足だ。父親らは常に疲れ果てている。この発見から、ダッズの初商品であるエナジードリンクミックス「ライトニング・スティックス(Lightning Sticks)」が生まれた。

小売業者は父親を支援すべき


小売業者が販売する商品を作るのは主に包装商品メーカーだ。しかし、小売の役割を過小評価しないこと。大半の業者は、顧客データを基にした自社ブランドを抱えている。父親のカテゴリーへの進出は自然な展開のように思える。

現在は在宅勤務をしている父親が多く、父親らは育児に関わる圧力を感じている。小売企業はこの機会を活用し、次のことができる。

1. 買い物パターンの測定


小売企業は、父親が父親以外と比べてどのように店内を動くかに関して店内調査を行うことができる。この結果を活用すれば、母親などの重要な人口集団の流れを邪魔することなく父親が欲しがる商品を取り込む方法を特定できる。

2. 父親に受けそうな商品を子ども用品と並べる


これまでの典型的な店内調査では、男性はおむつを購入しなければならないときにビール6本入りパックを買うことが多いことから、小売企業はおむつの近くにビールをおくべきとされていた。しかし、ストレスを抱えた現代の父親は、ウェルネス商品や父親としての役割を特に支援するような商品を好むかもしれない。

3. 父親の存在を認める


父親らは、自分の努力をいつも認めてくれた小売業者を忘れないだろう。特別な「父子」ショッピングデーを設け、子ども連れの父親向け販促活動を行えば新たな売り上げが生まれるかもしれない。

4. 母親の存在も忘れない


小売業者が母親という重要な集団を無視する可能性は低いが、父親たちが店舗で良い待遇を受けていることを母親が知ることでメリットがあるかもしれない。買い物をする男性や父親は増えているが、女性はいまだに消費者購入の70~80%ほどに影響を与えていて、その中にはパートナー向け商品も含まれている可能性が高い。

これは重要な“おまけ”につながる。より多くの父親を店内に呼び込む取り組みは、家庭での買い物の負担を配分する役に立つはずだ。母親たちはこの体験を何世代にもわたり求めてきたため、それを提供できる思慮深い小売企業やブランドを利用するようになる可能性が高い。

翻訳・編集=出田静

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