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0歳からの「お金の話」



(出所):総務省「家計調査」のデータを基にマネネが作成。 (注):二人以上の世帯。

このグラフには2つのポイントがあり、1つは昨年の10月から実質消費支出が前年比マイナスになっているということだ。つまり、日本の消費環境はコロナ禍で悪化したのではなく、景気後退中に実施された昨年10月の消費増税によって悪化し、今年に入ってのコロナ禍によってさらに下押しされてしまったということだ。もう1つのポイントは後述する。

収入と消費について見てきたが、収入の多くは労働の対価として得るため、労働環境も確認していこう。総務省が発表している労働調査によれば、8月の失業率は3.0%と2017年5月以来の水準に悪化しており、厚生労働省が発表している一般職業紹介状況によれば、8月の有効求人倍率も1.04倍と6年7カ月ぶりの低水準に逆戻りしている。


(出所):総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」のデータを基にマネネが作成。 (注):季節調整値。有効求人倍率はパートタイム含む一般。

一般的に労働関連の指標は遅効性があるとされているが、それでもこれだけ急速に悪化しているのだから、コロナ禍がいかに深刻なものであるかは言うまでもないだろう。

しかも、統計上の数字と実際の数字には乖離があり、実態はもっと悲惨な状態にあると考えられる。失業をした人がハローワークに行けば失業者としてカウントされるが、実際には密な環境を避けたい、ショックで何もする気が起きないなどの理由で、失業をしても即座にハローワークに行く人ばかりではないということだ。

ゆえに統計上に現れる失業者数よりも、実際の失業者数は多い可能性が高いのだ。

国民にとって公平な政策とは


コロナ禍で苦しむ観光業や旅行業を支援すべく導入された「Go To トラベルキャンペーン」だが、10月に東京が追加されるまで、つまり9月前半までのデータを見ると、当初の期待ほど効果はなかったようだ。

公的な経済指標の最新分が7月や8月のデータのため、オルタナティブデータと呼ばれる、従来は経済指標としては使えないと思われていたクレジットカードの決済データや、携帯電話の位置情報などを分析して、なるべく最新のデータで分析してみる。

文=森永康平

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