高所得者層で「連邦所得税がトランプレベルの人」は0.5%未満

Photo by Jabin Botsford/The Washington Post via Getty Images


そろそろこんな風に疑問に思っているのではないだろうか。AGIが100万ドルを超える人物が、いったいどうすれば、わずか750ドルの連邦所得税しか払わずにすむのだろうか?

方法はいくつかある。第一に、多数の項目別控除を受けることだ。例えば、多額の保険外医療費、膨大な住宅ローンの利子、チャリティーへの莫大な寄付、非常に高い州税や地方税などが考えられる。2016年には、現在とは異なり、州税と地方税の控除額に1万ドルの上限がなかった。

ただし、100万ドル以上の高所得者は、こうした控除の恩恵の多くに制限をかける、2つの条項の対象となっていた可能性がある。現在は撤廃された、項目別控除の数に関する制限(起草者であるドナルド・ピース下院議員にちなんで「ピース制限」と呼ばれる)と、個人向けのAMT(Alternative Minimum Tax:代替ミニマム税)だ。

外国政府に支払われた税金の控除なども、高所得申告者の課税所得を大幅に減少させる。一般事業者控除など、その他の事業税の優遇措置も関わってくるかもしれない。

とはいえ、どんなテクニックを使うにせよ、高所得者世帯が(あるいは中所得者世帯でさえ)連邦所得税の支払いを、ニューヨーク・タイムズが報じたトランプ氏の支払額のレベルまで抑えることは、きわめて異例というほかない。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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