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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


当然、DBXの9割以上の走行はオンロードになるので、足回りは自動的に車高を下げて22インチのタイヤが食いつくように路面をグリップするし、ロールを抑えるセッティングになっている。だから、姿勢はとても安定しており、路面からドライバーに情報がしっかりと伝わる。エキゾーストノートも「ブオー」と動物的で病みつきになる。

DBXには、「GT」「スポーツ」「スポーツ+」「インディビジュアル」「テレイン」「テレイン+」という6つのドライブモードがある。多くの人は普通時にはGTモードで走るだろうけど、スポーツやスポーツ+に入れると、エアサスがより引き締まり、アクセルレスポンスはよりシャープになり、シフトチェンジが早くなってステアリングがよりクイックになる。でも、そんなモードはマウンテンロードかサーキットでしか使えないはずだけどね。

室内もさすがだ。DBXはSUVだけど、乗ったフィーリングは乗用車に極めて近いクロスオーバーの感じだ。インテリアでは、本革やフェルト、それにウッドがふんだんに採用されているので、高級感がプーンと漂う。



シートのサポート性はしっかりしているし、視認性はグッド。タッチスクリーンは十分大きく、スイッチ類は上品で操作しやすい。ただ、ダッシュボードの高い位置に設置された「ドライブのD」などのシフトボタンは少し古い感じがするし、手が届きにくいと感じる人もいるだろう。



強いて言うと、全長が5メーターを超える大きなSUVなので、小回りが効く4WSというか、後輪ステアリング機能もつけて欲しかった。ライバルのランボルギー・ウルスなどにはついているので、次世代に期待したい。

アストン初のSUVということで、デザイナーたちは遊び心を見せてくれた。アダプティブ・クルーズ・コントロールの車間距離を表す絵はなんと、初ボンドカーのDB5のシルエットになっている。格好良い!

DBXのメーター

クルマとして走りも質感もデザインも素晴らしい完成度だと評価する。けれど、登場はかなり遅かったと思う。高級SUVのパーティには完全な遅刻で、もっと前に出すべきだった。ライバルには、ベントレー・ベンテイガ、ポルシェ・カイエン ターボ、ランボルギーニ・ウルス、マセラティ・レヴァンテなどがすでに登場しており、それらは各メーカーの業績に大きく貢献している。アストンも含めて、どの高級メーカーにとってもやはりSUVが救世主と言ってもいいくらいだ。

文=ピーター ライオン

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