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Photo by Chesnot/Getty Images

米内国歳入庁(IRS)は、2020年度版納税申告書の1ページ目に、「2020年内に仮想通貨の経済的権益を売却・送金・交換・取得したか」という質問を追加することを検討している。回答欄はチェックボックスとなり、イエスとノーのどちらかを選ばざるを得ない形だ。

仮想通貨に関する質問は2019年度版の納税申告書で初めて導入されたが、回答は必須ではなかった。それが2020年度からは、冒頭の氏名、住所欄のすぐ下の目立つ位置に移動される見通しだ。目的ははっきりしており、仮想通貨の利用がどの程度広まっているかを把握すると同時に、仮想通貨資産を申告しない納税者との係争に勝利することにある。納税者側は、仮想通貨が課税対象だとは知らなかったという言い訳ができなくなる。

米国以外の国々でも、仮想通貨に関する公的制度の導入が進められている。独自の公式仮想通貨発行に向けた準備を進める中国の戦略には、電子通貨からの恩恵を受けると同時に、国民の活動に対する統制を強化する狙いがある。中国政府は既に、野心的なブロックチェーンインフラ構築計画「ブロックチェーン・サービス・ネットワーク(BSN)」に着手している。BSNは、テゾス(Tezos)、ネオ(NEO)、ネルボス(Nervos)、イオス(EOS)、IRISnet、イーサリアム(Ethereum)の6つのパブリックチェーンに統合されている。

欧州連合(EU)は先月、仮想通貨やステーブルコインの資産に対する規制の枠組みを提案。アフリカなどの地域でも、ビットコインなどの仮想通貨は米ドルと自国通貨との為替レートの変動で損をすることがないため、使用が急激に広まっている。アフリカでの仮想通貨取引額は1年で55%以上増加し、6月の月間取引額は3億1600万ドル(約330億円)に到達。取引件数は50%増の約60万件だった。取引は大半が個人や中小企業によるものだ。

仮想通貨が新たなステージに入ったことを示す兆候もある。不安定さと市場操作のせいで仮想通貨の多くが下降線をたどる一方で、テザー(Tether)などのステーブルコインをはじめとするその他の通貨が台頭し、資本移動の規制回避のために頻繁に利用されている。一方で、フェイスブックの野心的な仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」は、同社が繰り返してきた個人情報管理の不手際を理由に、規制当局から拒絶された。

編集=遠藤宗生

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