これに先だち、大統領候補による1回目の討論会前に共和党が送ったアンケートでも、回答者に自分を「米国人」と「社会主義者」のどちらと思うか尋ねる項目があった。このほか、「トランプ大統領は、民主党の率いる都市でジョー・バイデンがアナーキストや(急進左派運動の)ANTIFA、暴徒を支持していることに照準を合わせるべきだと思うか」といった項目もあった。
今回のアンケートは、7日に行われる副大統領候補の討論会を控え、5日に送られたもの。これにもやはり、「不法滞在者よりも米国市民を優先するトランプ・ペンス政権を支持するか」といった項目がある。
バイデン陣営は最近、ネガティブな広告を取り下げると約束したが、トランプ陣営は追随しない意向をフォーブスに明かしている。その後、バイデン陣営による広告の取り下げは遅く、約束を果たしていないとも批判している。
トランプは法と秩序や新型コロナウイルス対策などの問題をめぐって、民主党の強い「ブルーステート(青い州)」と「それ以外」を区別し、民主党が率いる都市は自身の統治が及んでいない場所のように言うことが多い。
たとえば9月の選挙集会でも、「暴徒たちは(中略)バイデンの国民だ。彼らはバイデンの州や都市の者だ。民主党の州の者だ」とする一方、共和党の強いレッドステート(赤い州)については「わたしたちはとてもうまくやっている。犯罪もないし、あのような暴力もない」と語っている。
トランプは2018年、カリフォルニア州の山火事に対する援助を、同州の元知事が気にくわないことや、民主党が非常に強い同州で自分への政治的支持がないことを理由に、保留にしようとしたと元側近らから非難されている。
トランプは9月、米国の新型コロナウイルスの死者数について、ブルーステート分を除外すれば「実際はかなり低い水準にある」とも述べている。
バイデンは4日、一部の州知事に向けて自分を支持しないでほしいと呼びかけ、「あなたたちはペナルティーを支払うことになる。必要としているものを連邦政府から得られなくなるだろう。これはジョークではない。本気だ」と続けた。
ただ、バイデンは2日にミシガン州で行った選挙イベントではこう強調している。
「これ(大統領選)を党派の機会にしてはならない。これは米国の機会でなくてはならない。わたしたちは国民としてまとまる必要がある。わたしは民主党員として出馬しているが、米国の大統領として政府を運営する。あなたがわたしに投票してくれたかどうかに関わりなく、わたしはあなたを代表する」
米紙ニューヨーク・タイムズと米シエナ大学の共同世論調査によると、ペンシルベニア州では、国を結束させる候補としてバイデンのほうを信頼していると答えた有権者が56%にのぼった。一方、トランプを信頼すると答えた人は36%にとどまっている。