ビジネス

2020.10.12

HowではなくWhyを問え 「問題を定義する力」を身につける方法

Hinterhaus Productions/Getty Images


現在、経営トップがAIを使用した施策を企画することが少なくありません。しかし、経営トップは、AIの知見が少ない経営陣よりも、デジタル人材層に近い経営戦略や経営企画を担う次世代のリーダーに「当社もAIでなにかして欲しい」と指示を出します。

そのような指示を出されたリーダーは、なぜAIを使いたいのか、何のためにAIを使うのか、その課題は本当にAIで解決すべきか、AIを適用する前にしておくべきアクションはないかなど、「経営的な問い」を持つことになります。

そして、さらにその問いを深めていくと、この会社は一体何になりたいのかという「企業の自分探し」、ひいては「なぜ(why)を問うこと」に行き着くことになります。

この問いへの答えを出すために、定量・定性の両面で企業を考察するのですが、それだけでは隣人と同じ答えを出せるだけです。答えに至るプロセスが論理的であればあるほど、誰でも同じ答えに至るのは当然のことです。

ですから、大切なのは、直感的で感性豊かな創造力を加えること。そうすることで、「問題を定義する」ことが可能となり、「なぜ(why)」に対する、ユニークで本質的な答えが導き出せるのです。

では、直感的で感性豊かな創造力はどのように養われるのでしょうか。私はこれまでの経験から、次の3つの行動が重要だと考えています。

1つ目は、歴史を学び、起こり得る事を類推すること。2つ目は、物事の本質を見抜く努力を絶やさず、本質の先を行く進化系を創造するよう努めること。最後は、発想が独善に陥らないように律し、根源的な価値を常に求めることです。

私たちを取り巻く環境は、デジタルの進展によってさらにスピードを増して、変化していきます。今後、このような本質的な問題定義をできる能力は、企業人としての重要な資質としてより注目されていくはずです。

皆さんも、私とともに3つの行動を日々の習慣としてみてはいかがでしょうか。

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文=茶谷公之

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