小委員会は、フェイスブックとグーグルが「独占力(monopoly power)」を持っており、アップルとアマゾンは「重要かつ永続的な市場の支配力(market power)」を持っていると指摘した。
報告書では、「議会は2つの取り組みを主軸とする立法を検討すべきである」とされた。その2つとは事業の構造的な分離と、事業の制限だ。さらに、アマゾンの自社ブランドの製品やアップルミュージックなどを、自社のプラットフォーム上で競合他社の製品よりも優先することを禁ずるルールの導入も推奨された。
議員らは、FTC(連邦取引委員会)と司法省が反競争的な合併を防止できていないと非難し、規制当局が合併の監視を強化することを提案した。支配的なプラットフォームによる合併は、その取引が公共の利益にかなうもので、企業内での取り組みでは同様の利益を得ることが不可能であることを証明できない限り、「反競争的である」とみなされることになる。
ただし、ここで特筆すべきは、今回の調査が民主・共和両党の議員らによって開始されたが、共和党の議員らが最終報告書に署名していない点だ。彼らは、テック企業の解体に懐疑的であることを表明した独自の報告書を発表する予定だ。
報告書は罰金やその他の法的拘束力をもたらすものではなく、小委員会の勧告を取り上げるかどうかは議会の判断に委ねられている。
「公聴会で明らかになったように、一部のオンラインプラットフォームが支配的な力を持つことは、国民に負担を強いる結果を招いている。それは消費者の選択肢を減少させ、米国経済のイノベーションと起業家精神をむしばみ、自由で多様な報道の活力を弱め、米国人のプライバシーを損なっている」と報告書では述べられた。
アマゾンとフェイスブックの反論
フォーブスはグーグルとアップルにコメントを求めたが、期限までに回答は得られなかった。 しかし、アマゾンはブログで「独占禁止法に関する誤った考え方はスモールビジネスを破壊し、消費者の利益を損なう」と述べている。
アマゾンがとりわけ問題視しているのは、「自社ブランドの製品を外部企業の競合製品と並べて販売することは、許されるべきではない」という小委員会の考え方だ。
「小委員会のメンバーが誤解しているのは次のような点だ。アマゾンでは、外部の企業が彼らの製品をアマゾンの自社ブランド製品の横に並べて販売する機会が与えられており、これは競争を促進するもので、消費者の利益となる。さらに、当社はマーケットプレイスモデルによって、サードパーティに利益を与えている」とアマゾンは述べている。
フェイスブックもまた、彼らの見解を声明で述べた。同社がインスタグラムやワッツアップを買収したことで、これらのアプリはさらなる成功を収めたとフェイスブックは主張した。
「当社がこれらの2つのアプリの買収した当時も、現在も市場には激しい競争がある。規制当局はそれぞれの取引を徹底的に吟味した結果、当然のことながら、それらを止めるべき理由を見いだせなかった」と、フェイスブックの広報担当者は述べている。