大手企業が次々と断念する研究を続け、「光学単結晶」で唯一無二の存在に
〜オキサイド(山梨県北杜市)〜大手企業などから「その道一筋」の人材が結集する光学単結晶の研究者集団
スモール・ジャイアンツの企業に多く見られるのが、「どん底体験」だ。スタートアップが「ゼロイチ」といわれるアイデアや開発からスタートするのに対して、中小企業は背負うものがあり、マイナスからの逆転劇が多い。その多くは親の代の古い産業や負債を背負う話だが、2000年創業の技術系ベンチャーであるオキサイドは、審査会で「生き延びていること自体が評価できるが、さらに成長していることは賞賛に値する」と評価された。
オキサイドは物質・素材系の研究者集団である。光通信分野や光計測・加工分野、医療・バイオ分野などの産業分野で基板材料として使用される「光学単結晶」の開発・製造を行うほか、単結晶を利用したデバイスやモジュール、レーザ製品の量産などを展開している。
審査会で次のような声があった。「一般的に材料系の領域は研究成果を実用化するまでに時間がかかり、多大なコストも必要なことから小規模企業には難しい」。しかも、光学単結晶は大手企業が複数参入したが、そのほとんどが撤退している。オキサイドはそうした企業から事業を譲り受けて、経験豊富な人材を吸収するとともに技術を強化してきた。
オキサイドは総合的な結晶育成ができる世界唯一の企業である。スマートフォン向けではほとんどの半導体検査装置でオキサイドの基板材料が組み込まれている。会社の事業規模は年平均20%のペースで成長しており、コロナ禍でも好調だ。データセンターやIoT、ヘルスケアなどの領域で需要増が見込まれ、現在は半導体検査装置向けで対応が追いつかない状況という。次世代通信や自動運転、量子コンピューティングなど、需要拡大が期待できる。
経営者たちが語る熱いストーリーは、10月13日15時30分スタートのイベントで! イベント視聴の申込みはこちらから。全国の「すごい会社」からどこが勝ち抜くか。グランプリを目撃しよう。