スイーツが足りない。ニューオータニと日本交通が組んだワケ

ホテルニューオータニ「パティスリーSATSUKI」のストロベリーショートケーキ

自宅にいながら、ホテルの美食を味わえるように──。老舗ラグジュアリーホテルのホテルニューオータニと日本最大手タクシー会社の日本交通がタッグを組み、10月1日より新サービス「スイーツデリバリー」を開始した。

ホテルニューオータニ内の「パティスリーSATSUKI」のスイーツやパンを1個から注文でき、スイーツの値段+配送料で日本交通のドライバーが自宅まで届けてくれる。配送料金はおおよそ2000円から4000円と、エリアごとに異なる(エリア外はホテルから1時間以内まで)。

まだまだ感染対策に注意したいこの頃。今年1年頑張った自分へのご褒美として、「お家ルームサービス」でラグジュアリーに年末を迎えてみてはいかがだろうか。

「ケーキは最も運ぶハードルが高い」


サービスの開始を祝して、ホテルニューオータニ代表取締役兼総支配人の清水肇と、日本交通代表取締役会長の川鍋一朗が記者発表に登壇した。

コロナ禍の自粛要請により、タクシー業界はひどい時で例年の3割程の売り上げだったという。4月からはタクシー事業者が飲食物の運送を行うことが国土交通省より認可され、日本交通も高級中華料理やステーキのデリバリーを行ってきた。出歩かずにさまざまな食を楽しんでもらえる良さを感じながらも、次第に「スイーツが足りない」と川鍋会長は思うようになったという。

デリバリーして喜んでもらえるスイーツは何かと考えた時に、自分がもらって1番嬉しかった、インパクトのある「ニューオータニのエクストラスーパーショートケーキ」が思い浮かび、「スイーツデリバリー」が始まった。

スイーツデリバリー

ホテルニューオータニの清水総支配人は「デリバリーサービスはいま非常に人気ですが、シェフが心を込めて作った食べ物を、デリバリースタッフが大切に扱っているようにはあまり見えない。だからホテルがデリバリーをするにはどうすればいいのか、と考えていました。そんな時に日本交通のドライバーさんが料理のデリバリーを行うのをたまたま見て、その様子が非常に礼儀正しく、清潔で、料理を大切に扱っていて素晴らしいなと思っていました。

スイーツは食べておいしいのは当たり前で、1番大事なのは家に持って帰ったときに崩れていないことです。取り扱いが難しいので、誰にでも配達を任せられるわけではない。日本交通さんと協力し、お客様のご自宅に笑顔を届けられることができ、非常に嬉しいです」と語った。
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文=河村優

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