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2020.10.06

「マカフィー」創業者が仮想通貨の脱税で逮捕、懲役30年の可能性

ジョン・マカフィー(Photo by Cyrus McCrimmon/The Denver Post via Getty Images)

アンチウイルスソフトの先駆者で、セキュリティ企業「マカフィー」の創業者のジョン・マカフィーが10月5日、脱税容疑で米国司法省に起訴された。彼はここ数年、常軌を逸した言動でテック業界の注目を集めていた。

起訴状によると、マカフィーは仮想通貨のプロモーションやコンサルティングなどで数百万ドルを稼いだが、2014年から2018年にかけて税務申告を行っていなかったという。当局はさらに、マカフィーが不動産やヨット、車、仮想通貨などの資産をIRS(合衆国内国歳入庁)から隠していたと述べている。

マカフィーは6月15日に起訴されたが、10月5日に公開された文書によると、スペインで逮捕された後、米国への身柄引き渡しを待っている状態だとされる。

彼は昨年、ツイッターに投稿した動画で税金を払っていないことを認めたが、そこで彼は国から逃亡中だと述べ、「亡命」中に大統領に立候補すると話していた。マカフィーはさらに別の法的トラブルにも直面しており、10月5日にSEC(米国証券取引委員会)は彼が、仮想通貨のICOを違法な形で宣伝したとして訴えていた。

「所得税を払って帰ってこいと言う人も居るが、絶対に嫌だ。所得税は違憲だ。屈服すれば問題が解決すると信じるのはやめろ!」と、マカフィーは2019年6月にツイートしていた。

1987年にソフトウェア企業McAfee Associatesを設立したジョン・マカフィーは、1994年に同社の持ち株を売却して以降、傍若無人で奇妙な振る舞いを続けてきた。彼は2008年の金融危機の後にベリーズに移住したが、近隣住民からは銃と若い女が好きな変わり者として疎まれており、隣人が自宅で銃で殺害された際に、重要参考人として指名手配された。

その後、ガテマラに潜伏していたマカフィーは最終的に不法入国で逮捕され、米国に強制送還され、その際に知り合った現在の妻、Janice Dyson McAfeeと共にテネシー州に移り住んでいた。

マカフィーはリバタリアンとして、今年の米国大統領選に立候補しようとしていた。彼の選挙運動のウェブサイトでは、「政府は私たちの体と心の細部にまで立ち入り、全てをコントロールしようとしている」との主張が展開されていた。

ここ最近の彼は、ツイッターで「ディープステート」について発言したり、女性の下着をマスクにしてTikTokに登場したほか、SNS上で頻繁に自分の性的能力の高さを自慢していた。彼のプロフィール欄には「女性と冒険とミステリーが大好き」と書かれている。

マカフィーは5件の脱税と5件の故意の申告漏れで起訴されており、有罪判決を受けた場合は最高で懲役30年の刑を宣告される可能性がある。

編集=上田裕資

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