―HIROさんが考える日本の文化の良さ、日本が世界で勝てるポイントはどういうところでしょうか?
日本のゲームやアニメ、アートなどは世界中に届いていて、ヨーロッパやアメリカでも人気がありますよね。LDHでも「OTAQUEST」というプロジェクトがありますが、欧米ではオタクという言葉がクールというか、オシャレでかっこいいという印象ですよね。
アーティストや超一流のプロデューサーにもアニメやゲーム好きは多いので、自分たちはJ-POPを表現しながらも日本独自の強みをミックスして、カルチャーごと輸出したいなと。日本の音楽には様々なジャンルがありますが、何事に対しても丁寧かつ謙虚で、洗練されている部分が多いというのは共通ではないでしょうか。日本の強みや誇りを大切にしながら大きな流れを創造できそうな気がするので、それに向かって頑張っていきたいですね。
今、世界中の商業界がZ世代やアジアにチャンスを見出しています。米コンデナスト社にアナ・ウィンターさん(VOGUE編集長)を訪ねたときにも、周りのスタッフ全員がそう言っていました。近い将来、アジアの時代が来ると確信して、これからはアジアのマーケットを視野に入れて活動の幅を広げていきたいです。
ただ、国民の平均年齢が若く勢いのある国は多いのですが、一括りに「アジア」と言っても国によって流行りも違えば、インフラが整っていない部分もある。エンタテインメントとしてそこでどうマネタイズしていくのか、なかなか難しいですが、僕らなりのやり方がなにかしらあるのかなと思います。
──コロナ禍で「Love, Dream , Happiness」という言葉の意味や重みが変わってきたようにも思うのですが、HIROさんが今この言葉をどう捉えていらっしゃるかを教えてください。
これまでは、エンタテインメントに携わる者として子どもたちの未来や愛すべき未来を作りたい、弱い人たちの役に立てれば、と漠然と思いながら作品やライブを作ってきましたが、コロナ禍で改めて、今の子どもたちの世代の未来には想像もできないようなことが起こりうるんだろうなと感じました。
今までリアルとファンタジーのバランスの中で自分たちなりの想いが詰まった表現してきましたが、コロナ以降はもっと本気で、もっと具体的に、どうやって問題を防げるのか、どうしたら世の中の人たちが助け合える構造になるのかなどをエンタテインメントとして形にしていかなくちゃいけない時代になったんだろうなと思います。そういう意味で「Love, Dream , Happiness」の発信の仕方は、時代に合わせて変えていくべきなのかなとは思っています。