HIROに聞く、LDHのライブの今後とこれからのエンタテイメント


──7月初旬には「LIVE×ONLINE」と題して、LDHとして初めて有料配信ライブを7夜連続で実施しました。コロナ禍において、世界中のアーティストがそれぞれ内容や演出の工夫を凝らしながらオンラインライブを試みている最中ですが、LDHはどんな強みや個性を発揮しようと考えられていましたか。

たくさんのアーティストさんがオンラインライブをやられているので、自分たちは一番得意な見せ方にこだわろうと……。もともと躍動感、スピード感、キレ味ある演出にずっと向き合ってきたチームなので、オンラインライブでもカメラワークなどを駆使して、今までにない自分たちの新しいエンタテインメントとして昇華させようと取り組みました。

普段からライブをプロデュースしている「TEAM GENESIS」とメンバーそれぞれがアイデアを出し合って、ドローンなども使いながら、身体能力やパフォーマンスの強さが最大限表現できるようなインパクトある演出したいというのがテーマでしたね。

今までリアルなライブをライブビューイングで配信することはありましたけど、今回は「無観客ライブ」という形で表現するのではなく、オンライン上のライブを「LIVE×ONLINE」という新しいブランドとして創造していくという挑み方でした。



──以前のように満員の会場でライブができる日がいつ戻ってくるのか、まったく目処が見えない状況ではありますが、コロナが終息してもオンラインライブは継続していくとお考えですか?

そうですね。オンラインの特性を活かして、そこでしかできないようなものを作りたいと思っています。リアルとオンラインをミックスして、会場で見えるものとオンラインで見える映像をまったく違うものにするとか、オンラインでは好きなメンバーに寄った映像が見られるとか、色々な角度でライブを楽しめるようになるんじゃないかなと。コロナが終息したら何倍も面白い次世代のエンタテインメントを確立できると思います。

コロナだから仕方なくオンラインでライブを表現するというだけでなく「LIVE×ONLINE」をブランドとして確立させ、LDHの新しい武器にして様々な可能性に繋げていきたいです。

今回、いまは何が起こるかわからない時代だと改めて感じ、勉強になりました。5年後、10年後のエンタテインメントをイメージしながらこの世界でどう生きていくのか……。先程も述べたように、バーチャルやデジタル領域にもさらに力を入れ、次の時代に臨機応変に対応できるエンタテインメントを準備していかなきゃいけないと思っています。コロナ禍で、ピンチをチャンスに変え、この経験で得た術を未来に活かしていきたいと、意識改革ができました。
次ページ > 文化・業界の健全な発展が途切れてしまうのではないか

文=矢島由佳子

ForbesBrandVoice

人気記事