今回の下落は、「金銀相場が上昇し続けるところばかり見ていた強気筋に、ちょっとしたショックを与えた」。最近の動画の中でそう述べたのは、ニューヨークの商品コンサルティング会社CPMグループのマネージング・パートナー、ジェフ・クリスチャン(Jeff Christian)だ。
しかし、そんな強気筋によい知らせがある。クリスチャンによると今回の下落は、しばらくのあいだ投資をホールドしておくだけの忍耐力がある投資家にとっては、買い始めの好機になる可能性があるという。
貴金属ETFが急落
ブルームバーグのデータによると、金相場は8月6日に1トロイオンス(約31g)あたり2064ドルの高値をつけて以降、最近では1800ドル台後半まで値を下げている。金現物を保有する上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・シェア(GLD)も、同様に下落している。
さらには銀相場も、8月10日の1トロイオンスあたり29ドルから、最近では23ドル台まで大きく値を下げている。銀価格に連動するETFのiシェアーズ・シルバー・トラストも同様の動きを見せた。
下落は多くの理由によるものだと、クリスチャンは説明する。具体的には、このところ米ドルが強いことや、不透明な米国の政治情勢のほか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック第2波が到来し、第1波を大幅に上回る被害をもたらすことへの懸念などだ。
これらの要因が、金やその他の高リスク資産から投資家を遠ざけたわけだが、影響はあくまで一時的なものかもしれない。つまり、貴金属相場はほどなく再び上昇傾向へ転じる可能性もある。
貴金属相場は長期的には上昇
「我々は金銀相場を、これから2カ月後、4カ月後、2年後、10年後という視点でとらえている」とクリスチャンは言う。「その上で、金銀相場は今後は回復し、そう遠くない将来、そして今後5年間にわたって急上昇するとみている」
したがって、現在の下落は「ちょっとした買いの好機」だとクリスチャンは評する。
つまり現在は、貴金属の投資比率を増やしたいすべての人にとって好機ということだ。簡単に言うと、いまなら、数週間前に比べて金を1トロイオンスあたり200ドルほど安く購入できる。銀についても同様だ。