時代を読む、東京ホテルストーリー vol.4「THE AOYAMA GRAND HOTEL」

「THE AOYAMA GRAND HOTEL」 スーペリアタイプの客室


経営企業であり運営者でもあるPlan Do Seeは、レストラン経営の覇者として定評がある。ホテルも全国展開されており、国内は青山を含め4軒、ベトナムのハノイに1軒、2021年夏には京都任天堂本社ビルが、彼らの手によりホテルに変わる。

いずれもそれぞれの土地や建物の環境、文化、歴史を活かした魅力的なホテルばかり。そしてレストラン経営が得意な彼らが、初めてとなる東京進出を果たしたホテル内に、得意のレストラン全4カ所を展開したというわけだ。全客室数が42室のホテルにしては充実の数であり、それぞれが尖り過ぎないメニューをオリジナル料理として提供し、価格帯を抑え、しかも美味しい。

最上階のイタリアンダイニング、「TORATTORIA ANDREA ROSSI」(20階)、また、洒落たカウンター和食「SHIKAKU」(4階)は昼と夜、もう1店舗「青山 鮨かねさか」(19階)がランチと夜のおまかせコースで江戸前寿司を提供する。鮨店だけは自営ではないが、ホテルバージョンで良心的なメニューが好評だ。

最上階のイタリア料理店開業とともにオープンを迎えるのが、同会に隣接するオープンエアのラウンジバー「THE TOP.」。オリジナルのカクテルやワイン、シャンパンなどと、隣接するイタリアンからのメニューもオーダー可能となれば、セレブやエグゼクティブらが、暗めの照明の中で、都会を楽しみながらグラスを傾ける……そんな様子が今から想像できる。


ラウンジバー「THE TOP.」。青山界隈、表参道、六本木など、都心を見渡せる20階のオープンエアースペース

ホテルのコンセプトである“ミッドセンチュリー”のデザインが活かされた館内は、特に客室は60年代、70年代のビンテージマンションのような造りになっている。上質で快適な家具アルフレックスの設え、竹製のベッドフレームが美しい「岩田寝具社」マットレス/“KAGUYA KOKOCHI”など、さすがにミッドセンチュリーの懐かしさから、ファッション雑誌で見かけるNYのアパルトマンのように思える。


スイートタイプ(56~61平方メートル)の客室。カテゴリーは多種、スタンダード(32平方メートル〜)、スーぺリア、デラックス、プレミア、スイートがある。

ホテルが掲げるミッションは、「日本のおもてなしを、世界に」とある。メイド・イン・ジャパンのホテルは、こうして急速に実力を挙げ、世界に堂々と通用する進化を遂げている。


中庭には竹林が造られ、ガーデンビューの客室のバルコニーからはこの竹林の眺望。街が見えない部屋も心静かに“落ち着く”との評判、ビジネスステイに。


青山2丁目交差点角に建つ「the ARGYLE aoyama(ジ・アーガイル・アオヤマ)」内にホテルが入る。1階のエントランスからアンティークな印象。

THE AOYAMA GRAND HOTEL
東京都港区北青山2丁目2-14-4
https://aoyamagrand.com/

文=せきねきょうこ

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