ウイルスの侵入経路は?
トランプ大統領の周辺でほかに誰が感染したかを確認するだけでは、対応は不十分だ。そもそもトランプが誰から感染したのか特定する必要がある。
側近のホープ・ヒックス大統領顧問は、トランプ夫妻が陽性と判定された前日に、陽性であることが確認された。だが、それはトランプがヒックスから感染したことを意味するわけではない。コーテピター医師は、次のように語る。
「これは、パンデミック(世界的な大流行)の状況下で発生したアウトブレイク(集団発生)だ。アウトブレイクについての調査が必要だ。つまり、ホワイトハウスに出入りした全員の検査を行い、感染源を明らかにする必要がある」
隔離措置を取るべき人を特定するための鍵を握るのが、この調査だ。同医師によると、大統領と夫人、ヒックス顧問だけではなく、ホワイトハウス内で、彼らの周辺で仕事していたすべての人が自主隔離する必要がある。
また、「ホワイトハウス内での感染拡大の程度を把握し、実際に誰が感染のリスクにあったのかが明確になるまで、ホワイトハウスは閉鎖すべきだ」という。
同医師はまた、29日に大統領候補者テレビ討論会でトランプと論戦を交わしたバイデン前副大統領についても、予防策が必要だと指摘する。
「十分な距離は取っているように見えたため、自主隔離の必要はないかもしれない」「だが、彼らは長時間にわたって一緒に屋内におり、強い口調で、大声で話をしていた。前副大統領は感染を拡大させるリスクを最小限に抑えるため、用心し、繰り返し検査を受け、マスクを着けるのが賢明だ」
オバマ政権下で保健福祉省高官だったハワード・コー医師(ハーバード大学医学部教授)もまた、ホワイトハウスを閉鎖すべきとのコーテピター医師の考えに同意している。