ホワイトハウスは「集団感染」が発生、副大統領も隔離を 専門医ら

Photo by Drew Angerer/Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人は10月2日に受けた新型コロナウイルスの検査の結果、陽性と判定された。これを受け、マイク・ペンス副大統領とカレン夫人、民主党の大統領候補、ジョー・バイデン副大統領も検査を受けたが、その結果はいずれも「陰性」だった。

だが、3人の検査結果は必ずしも、彼らが陰性であることを示すものではない。トランプと最近接触した、ホワイトハウスの幹部ら全員についても同じことが言える。

米疾病対策センター(CDC)は感染者と濃厚接触した人、つまりその人と約2m以内の距離に15分以上いた人には、14日間の隔離措置を取ることを推奨している。これは、新型コロナウイルスは潜伏期間(感染者と接触した人が感染し、症状が出始めるまでの期間)が4~5日から2週間とされているためだ。

さらに、新型コロナウイルスは暴露してから検査で陽性の判定が出るようになるまでに、数日から1週間かかる。感染症が専門のマーク・コーテピター医師によると、潜伏期間の長さは、暴露したウイルスの量によって異なると考えられている。

このウイルスのパンデミックへの対応における問題の一つは、「無症状者による感染の拡大」だ。感染者は症状が現れる前の段階から、ほかの人たちに感染を広げているとみられる。

臨床ウイルス学が専門の米メイヨー・クリニックのマット・ビニカー医師はフォーブスの取材に対し、「暴露してから1~2日後に検査を受けて結果が陰性でも、感染の可能性を否定することはできない。その検査の価値は、非常に限定的だ」と説明している。

ビニカー医師によれば、検査はウイルスへの暴露から5~7日後に受けることを推奨されている。その人が本当に感染していれば、検査で陽性の判定が出る可能性が高まるのは、このタイミングだからだ。

ペンス副大統領が大統領と最後に会ったのは、9月29日とみられる。感染していたとしても、週明けまでは陽性にならない可能性があるということだ。
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編集=木内涼子

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