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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

僕の欧州の同僚が今年の1月に乗って評価し、すでに欧州で販売開始になっている「ホンダe」を、ついに僕も試乗することができた。デザインに厳しいイタリア人やイギリス人などの同僚に聞いてみると、「ホンダeは可愛いし、スタイリングはユニークだし、走りも良い」とかなり高く評価している。

一方で、「価格は高い、航続距離は短い、室内は狭い」という声も聞く。ホンダeはどんなクルマなのか。

まずはデザイン。試乗会会場にいきなり現れたホンダeを肉眼で見ると、確かに可愛い。丸目のヘッドライトを採用するレトロでシンプルな外観デザインを見ると、チワワ犬のように可愛がってあげたい気持ちが強くなる。不思議な感じにサイドから出っ張っている部分は、ドアハンドルではなく、実はドアカメラ。ドアミラーは過去のものとなった。

ホンダeを後ろから

ホンダが作った「シティ・コミューター」というコンセプトを支持するしないは別にして、このクルマを企画する時に「小型EVが一日200km以内の距離を町の中で走るなら、このサイズとこのバッテリー容量、このモーターで十分だろう」とした潔さを褒めたい。

そこで、なぜ今になってホンダeを作ったのかと、一瀬智史チーフエンジニアに聞いたら、「欧州のCAFE(企業別平均燃費基準)対策の意味合いで」と語った。やはり、50代から70代の人たちに人気のあるシビックやフィットが占める欧州ラインアップの中に、多くの顧客が乗りたがるであろうクールで近未来的な小型EVが、ホンダには不可欠だったのだろう。

このクルマのすべてが専用設計のため、451万~495万円と高価。にもかかわらず第一期のロットは完売とホンダ広報はいう。計画販売台数は年間1000台とかなり控えめだけど、第一期のロットは数百台だそうだ。

ホンダeを横から

同車の企画が「上層部から降りてきた時、前輪駆動車になっていました」と、一瀬は言う。でも、モーターとドライブトレーンをボンネットの下に入れようとすると、クルマのフロント部分やオーバーハングがグーンと伸びて、重量配分が崩れ、フロントヘビー(フロントの部分が重いプロポーション)になってハンドリングが難しくなるので、その企画はすぐに後輪駆動車に変更されたという。その結果、前後重量配分が50:50になった。

文=ピーター ライオン

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