日本人が使いがちな英語表現は相手を傷つける? 米国で学んだ正しい伝え方

shutterstock.com

アメリカ人は物怖じせずストレートに意見を言う。一方、日本人は意見があっても主張しようとせず、曖昧な表現をつかう。このようなイメージをもっている方は多いのではないでしょうか。

私はアメリカで約6年働いてきました。スタートアップもあれば大企業も、西海岸もあれば東海岸もあります。産業構造が大きく異なる複数の地域、企業で働いてきましたが、共通して感じるのは、「アメリカではビジネスの場面、特にリーダーとして活躍している人ほど、多様な個性を徹底的に気遣い、個々人への表現方法に配慮している」ということ。つまり、上記のような「アメリカ人=ストレートにものを言う」という印象は当てはまらないのです。

今回このテーマを取り上げた理由は、まさに今、私がリーダーとしてもつべきコミュニケーションにおける「配慮や気遣い」というスキルの壁に直面しているから。このスキルは、アメリカならではの文化や雇用環境などのバックグラウンドに基づいているものも多いため、身につけるのは簡単なことではありません。

しかし、幸運なことに私は信頼のおける上司から指摘してもらい、気遣いの重要性や表現のポイントなどを学ぶ機会がありました。今回のコラムでは、英語表現、相手に伝えるときの環境設定、バックグラウンドへの理解など、私が米アマゾンでシニアマネージャーとして学んだことや心がけていることをシェアします。

日本人のメールは攻撃的?


私が英語表現を意識し始めたきっかけは、上司から「君が他部署のメンバーに送っているメールの表現、ちょっと攻撃的なニュアンスになっているけど意図的?」と指摘されたことです。

親切心から、「何か不明な点があればお尋ねください」という趣旨で、ビジネスメールの文末に “Please let me know if my explanation above isn’t clear to you.” と書いていたのですが、そういう伝わり方をしてしまったこと、細部まで気にしていること、2つの驚きがありました。改めて振り返ると、この表現が「私がこんなにわかりやすく説明したのに理解できないなら言ってください」というニュアンスになっていることに気が付きました。

そこで、下記のように表現方法を改めました。

1. Please let me know if you need more details
2. Please feel free to ask me if you have questions
3. Please let me know if I’m not explaining clearly enough

3. のように主語を自分にすることで、あくまで自分の説明が十分かどうかに焦点を当てると角が立たず、悪い印象を与えません。メールやチャットなどの文章コミュニケーションでは、声色や表情が伝わらないため、特に英語表現には気をつけています。

こうして表現を意識し始めると、ネイティブがよく使う表現、使わない表現があることがわかります。
次ページ > ビジネスで「should」は使わない

文=伊藤みさき 構成=竹崎孝二

ForbesBrandVoice

人気記事