コーヒーが優れた「脱臭材」に。おいしいだけじゃない、サステナブルな世界

コーヒー抽出かすは脱臭剤として再利用した後に、さらにガーデニングで活用できる(写真=UCC上島珈琲)


さらに脱臭剤として使用した後は、 ガーデニング(雑草対策、肥料)でも活用できる。コーヒー抽出かすを土に混ぜることで、植物の育成にとって良い効果が得られることがわかっている。

UCCと大学が共同で行った研究によれば、土に混ぜてから1年目は、「植物の生育を抑制する効果」 を発揮する。つまり、コーヒー抽出かすを土に混ぜることで、雑草を生えにくくすることができるのだ。2年目以降は、土壌改良効果をもたらすため、家庭菜園やガーデニングでの利用に期待ができる。また、2年間かけなくとも、コーヒー抽出かすに「堆肥」を混ぜて発酵させれば、1〜3カ月で肥料として利用することもできる。

UCC上島珈琲では10月1日から、抽出かすを再利用するためのミニ麻袋をUCC公式通販サイトで無料配布している。担当者は「コーヒーの抽出かすを有効活用して、『おうちサステナブル』な取り組みを始めてみませんか。コーヒーが飲める時間を大切に、また飲んだ後も、ぜひ気持ちよく過ごしていただければと思います」とコメントした。

コーヒーを買って「投票」社会課題に貢献できる


さらに最近では、コーヒーを購入するという行為自体をサステナブルな社会に対する貢献にしてしまおうという取り組みも出てきている。

東京・表参道ヒルズ同潤館1階にある、ウェルフード マーケット&カフェ「imperfect表参道」では、「コーヒーやチョコレートを美味しく食べ続けるためには、地球環境を維持して、農家の方々の生活に寄り添いながら、原材料の生産を続けることが必要だ」という考えのもと、 食と農を取り巻く社会課題に対して、顧客と一緒に取り組んでいくユニークな活動が行われている。


「imperfect表参道」店内に設置された「投票」スペース(写真=imperfect表参道提供)

特に興味深いのは、社会課題の解決を目指すプロジェクトに顧客が「投票」を通じて参加できるという試みだ。つまり、imperfectがどのような社会貢献活動を行うかについて、顧客側が決めることができる。

顧客は商品購入後に、「環境」「教育」「平等」など関心のある社会課題の中から1つを選択し「投票」を行う。一定数の票が得られたテーマに対しては、売上高の一部が活用され、実際に解決に向けた取り組みが行われるという仕組みだ。
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文=渡邊雄介

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