HARRY WINSTON Ocean Sparkling Big Date Automatic 42mm
Journalists’ Voices
並木浩一
独創的なルテニウムクリスタルのダイヤルは、ハリー・ウィンストンの傑作だ。結晶化した希少金属のテクスチュアは、シャンパンの細かい泡が光を取り込んできらめく記憶を起動させ、気分を上げる。スパークリングな趣向が、新作ではビッグデイトと結びつき、華やかで緻密な高級メカニカル・ウォッチに仕上がった。オフセンターの時分針ダイヤルとアウトサイズなデイト表示が上下で対を成す、ダイナミックな構成。センターの“左向き卍”のモチーフは、秒針に代わって回転する“手裏剣型作動インジケーター”である。
本間恵子
ギラギラしすぎない、洗練されたメンズジュエリーウォッチを求める向きが日本でも増えつつあるというが、この時計はまさにそんな1点。ダイヤモンドを惜しげなくあしらい、文字盤は星空のようなブルーのルテニウムクリスタル。ルテニウムはプラチナ族元素の稀少貴金属で、美しいだけでなく酸化や腐食にも強い。結晶化したルテニウムを時計に採用しているのは、ジュエラーであるハリー・ウィンストンだけだろう。あしらわれたダイヤモンドは総数191石、約4.79カラット。目もくらむ贅沢さだが、品のよい色気が好ましい。
ムーブメント|自動巻き Cal.HW3206
ケース素材|18Kホワイトゴールド
ケース径|42.2mm
価格|14200000円
問い合わせ|ハリー・ウィンストン クライアント インフォメーション(0120-346-376)
渋谷康人◎時計ジャーナリスト、モノ評論家、編集者。文芸編集者、「グッズプレス」と時計専門誌「世界の本格腕時計」の副編集長、「エスクァイア日本版」契約編集者を経て独立。1995年から現在まで25年以上もスイス2大時計フェア、国内外の時計取材を続けている。家電やデジタル機器、カメラ、文房具などの取材執筆も多数。
菅原 茂◎1954年生まれ。時計ジャーナリスト。ファッション、ジュエリー誌の編集を経て1990年代よりスイスでの時計取材を本格化。専門誌やライフスタイル誌に記事を多数発表。また『ブレゲ 天才時計師の生涯と遺産』をはじめとする各種ブランド関連書の翻訳や、パテック フィリップ175周年展のカタログ執筆などがある。
篠田哲生◎1975年千葉県出身。講談社「ホット ドッグ プレス」を経て独立。時計専門誌やライフスタイル誌、ビジネス誌、ウェブサイトなど幅広い媒体で時計記事を担当し、イベントや講演も行う。著書に『成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか。』(幻冬舎)。Forbes JAPANではライフタイル&インテリア記事も担当。
本間恵子◎時計とジュエリー専門のジャーナリスト。ジュエリーデザイナーだったが宝飾専門誌エディターに転身し、現在はフリーランサーとして経済紙や美術誌などに寄稿。バーゼルやジュネーブなど国際時計見本市の常連。ヴィチェンツァ・オロ、アンティーク・ビエンナーレも取材するなど、時計、ジュエリーブランドに精通している。
並木浩一◎桐蔭横浜大学教授(博士)、時計ジャーナリスト。出版社で編集者経験の後、メディアと文化の研究に進み2012年より桐蔭横浜大学教授に。時計評論家としては、1990年代よりスイス時計フェアをはじめ国内外で腕時計を取材。主な著書に『腕時計一生もの』『腕時計のこだわり』などがある。
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