「急がば回れ」のコロナ対策 ワクチンより期待すべきは?

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その状況において、私たち自身は何をすべきでしょうか?

何よりもまず、マスクを着用し、社会的距離を保つ必要があるでしょう。マスクを着用し、手洗いや手指消毒を行うことは、有効性がたった30%のワクチンを摂取するよりもはるかに効果的ではないでしょうか。

この新型コロナウイルスは、人々が咳、くしゃみ、または会話を交わした際の飛沫を介して広がります。そのため、社会的距離を保ち、マスクを着用し、手を洗い、ウイルスそのものを新たな集団感染を引き起こさないような非常に低い水準まで減らすことが最も効果的です。


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日本は、日常生活においてマスク着用や手洗い、手指消毒に比較的慣れているという点で、感染拡大抑制の観点からは他地域より有利であり、またこれは、絶対的な強みであると言えるでしょう。また、個々が自律心を持って感染症対策を行えているとも評価できるでしょう。

じめじめした梅雨にも、ムシムシした夏にも耐え、人々はしっかりと感染対策をしていました。私自身も日本で暮らしていて、個人も店も企業も、感染対策の努力をしているのを見てきました。

気がかりがあるとすれば、街中の喫煙所です。駅前などに設置されている喫煙所を見ると、狭い囲いの中で大勢の方が喫煙している姿が見られます。これは疫学の観点から大変危険なエリアに見えます。タバコをはき出す煙の呼気には沢山の飛沫が含まれますし、密集している空間となっています。喫煙所の利用は控えるのが好ましいでしょう。

新型コロナウイルスは後遺症も含めてまだ未知な部分の多い感染症です。ご自身や大切な方を守るためにも、ワクチンに期待しすぎず、自分でできる感染対策を徹底しましょう。

連載:ライフサイエンスイノベーションいろいろ
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文=BT スリングスビー

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