ウェルズ・ファーゴの肩を持つとすれば、同社には既に世界一流の採用プロセスがあるのかもしれない。そうだとしても、同社が求めるリーダーを見つける方法は他にも多く存在する。一つは、優秀ではないリーダーを排除し、後任として経験年数が条件には満たないもののポテンシャルが大きい人を置くことだ。この手法により、会社が採用できる候補者のプールが即座に広がる。
また、ダメなリーダーの方でも、新たな役割や環境の変化が功を奏する場合がある。
「正しい態度」について聞いたリーダーシップIQのアンケート調査では、新規採用の46%が1年半以内に失敗に終わることが分かった。こうした採用の対象にはリーダー職も含まれる。こうして失敗に終わった社員はすぐには解雇されないため、雇用され続けることになる。
また、採用が失敗する原因の89%が、スキル不足ではなく本人の態度にあることも分かった。それなのに、企業は経験やスキルを基準とした採用を続け、潜在的人材を無視し続けている。採用基準を狭めてごく少数の人材しか通り抜けられないようにするのであれば、人材プールが浅過ぎると嘆く会社が多いのも不思議ではない。
私は「採用できる黒人の人材プールが非常に限られている」という考えには同意できない。枠にとらわれずに人材プールを拡大する方法は、業績が悪い人を排除してそのポジションを空席にする、内部の候補者を少し早い段階で登用するなど、多数存在する。
米国では以前、病院が看護師不足に陥ったとき、小規模な組織の一部が地元の大学と独自の看護プログラムを作って看護師プールを拡大した。会社が言い訳をやめ、解決策を見つけることにリソースを結集する意思があれば、目標を実現する方法は存在する。