経済・社会

2020.10.01 06:30

トランプ政権の移民対応にさらなる疑念 不審な「子宮摘出」発覚か

トランプ政権の移民対応に対する批判は絶えない(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

米ジョージア州にある不法移民の収容施設に勾留されていた女性たちの扱いをめぐり、憂慮すべき実態を訴えた内部告発があったことを受け、米移民税関捜査局(ICE)の局長代理は9月18日、「(内部告発は)きわめて重大な懸念を生じさせるものであり、迅速かつ徹底した調査に値する」と述べた。この一件は、トランプ政権の移民対応に関するさらなる疑念を呼び起こしている。

ナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州選出)は9月15日、内部告発があったジョージア州のICE不法移民収容センターについて調査を求めた。この施設で働くドーン・ウッテン看護師による内部告発では、不審な子宮摘出術や、新型コロナウイルス感染症の検査と報告の拒否など、医療面での虐待が詳細に報告されている。

ウッテンの告発によれば、収容されている女性の多くは、ウッテンが“子宮収集家”と呼ぶ婦人科医(氏名は明かされていない)のもとに連れていかれたという。“子宮収集家”という呼び名は、この医師が多くの子宮摘出術を実施したことに由来する。

メディアの報道によるとこの一件は、ジョージア州アーウィン郡の収容センターで、2017年以降に少なくとも8人の女性に対して外科手術などの婦人科治療をおこなった婦人科医のMahendra Amin医師との関連が取り沙汰されている。だが、医師はそれに反論し、子宮摘出術をおこなったのは過去3年で1回か2回だけだと述べている。

AP通信の調査では、自分がどのような医学的処置を受けたのかわからないとする女性が複数いたものの、多数の子宮摘出術がおこなわれていた証拠は見つからなかった。Amin医師の弁護を務めるScott R. Grubman弁護士はフォーブスに宛てた声明のなかで、Amin医師とその弁護団は、「告発者の主張が医師に関係していることを(中略)強く否定する」と述べ、最終的には「医師をめぐる疑いはすべて晴れるだろう」と付け加えた。

ペロシ下院議長は、国土安全保障省(DHS)の監察総監による即時調査を求め、DHSは独自の調査を実施していると述べたと報じられている。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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