テクノロジー

2020.09.30 06:00

「オンライン会議」に新しい選択肢、仮想の自分製造装置で作る未来のコミュニケーション

Xpression Cameraを使用して、パジャマ姿でスーツ姿の自分の写真の表情を操る男性(画像提供:EmbodyMe)

Xpression Cameraを使用して、パジャマ姿でスーツ姿の自分の写真の表情を操る男性(画像提供:EmbodyMe)

ディープラーニングを用いた映像生成技術を手がけるEmbodyMeが、新しいサービスの提供を発表した。

2018年5月に、有名人などの表情を自分の表情で乗っ取り、リアルタイムにその場で動かせるiOSアプリ「Xpression」をリリースした同社は、コロナ禍のビデオ会議需要をきっかけに、zoomやMicrosoft Teamsなど、複数のビデオ通話アプリでその機能を使うことができるMac向けアプリ「Xpression Camera」の無料配信を始めた。

それはまるで「未来の会議」のよう


まずはデモ動画を見てほしい。動画内では、画面上の絵画や写真がカメラに映る人間の表情に合わせて動いている。Webカメラが3Dで詳細に顔の表情を読み取り、リアルタイムで画像を動かすのだ。


リモートワーク中のオンライン会議で自身の姿を画面に映すことが求められることがある。その度に化粧や着替えをすることに辟易している人も多いのではないだろうか。このアプリを使えば、スーツ姿の自分の画像を前もって取り込んでおくことで、どんな格好をしていても、さもスーツをきているような様子でビデオ会議に臨むことが可能になる。


パジャマ姿でスーツ姿の自分の顔を操る、EmbodyMe代表の吉田一星(左が本人、右が生成された映像)

カメラを使ったビデオ会議の特徴は、自分の顔が常に画面上に表示されていて、見られているという感覚が強いことだ。ビデオ会議疲れを起こしている人も多いと吉田は言う。しかし、ビデオを切ると、次は逆に、相手に姿が見えない不安を与えてしまったり、意図が伝わりづらくなったりする。

「Xpression Camera」は、会議相手に自分の表情のみを伝えることで、これらの問題を解消できるのだ。

こうした「仮想の自分」の可能性について、吉田は次のように語る。
「リモートワークにおける会議だけではありません。例えば、遠隔医療や学校教育、エンターティメント、SNSなど様々な分野で利用できる。映像・ビデオをベースにしたコミュニケーションが前提の社会で、そのインフラとなるのはカメラだからです」
次ページ > 表情認識による映像生成技術でできること

文=揚原安紗佳

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