キトゥライフの企業価値は7月に実施したシリーズBの時点で、2億ドルを上回っていたが、その翌月にロペスらの出資を受け入れ、直近の企業価値は2億4000万ドル(約253億円)に達しているという。
3人兄弟の中で最年長で、同社のCEOを務めるジム・デシッコ(Jim DeCicco)は、起業から5年後に幼少期のアイドルの注目を集められて光栄だと話した。彼らは野球が好きで、ロドリゲスのファンだったという。
「スーパーコーヒーを立ち上げた兄弟は、短期間で強力なビジネスを構築した。ブランドがその力を最大限に発揮できるよう支援していきたい」とロドリゲスは述べている。ロペスは、ロドリゲスと共に初めてスーパーコーヒーを試飲したときに、支援を思い立ったと話している。
キトゥライフは今年6月にアンハイザー・ブッシュ・インベブ社と、2万5000以上の店舗へのディストリビューションに向けた契約を結んでいた。アレックス・ロドリゲスは今年1月、アンハイザー・ブッシュ傘下のドミニカ共和国のビール会社「プレジデンテビール」の共同オーナー兼会長に就任していた。
「ロドリゲスとの出会いは偶然のものだったが、彼はその後、戦略的な判断から当社への出資を決定してくれた」と、デシッコは話している。
ロドリゲスが初めてスーパーコーヒーの存在を知ったのは、2018年に兄弟が出演したテレビ番組の「シャークタンク」だったという。ロドリゲスは番組のゲスト審査員として出演していたが、兄弟のエピソードの撮影中には立ち会っていなかった。
「シャークタンク」に出演する3人の兄弟(Michael Desmond / Getty Images)
兄弟はその当時、会社の株式4.5%と引き換えに50万ドルの出資を求めていたが、シャークのいずれからもオファーはなかったという。4.5%の株式の価値は、現在の企業価値(2億4000万ドル)で試算すると、1100万ドルに達していたことになる。