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施設側へのメリット、100万円近くのコスト削減も


スマートパークの導入は、駐車場利用者だけでなく、施設側にとってもメリットは大きい。

従来の駐車場では度々起こり得る、ゲートが上がらない、ロック板が下がらないといった機器トラブルのリスクが減るため、施設スタッフの時間と労力を抑えることができる。

また、カメラによる犯罪抑止の効果により、無断出入庫や当て逃げ、盗難など、駐車場でのあらゆる犯罪を防ぐことが期待できる。もし仮に無断出入庫や精算忘れがあったとしても、車両ナンバーは記録されているため、次回利用時に未精算分も請求できる仕組みとなっている。

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Getty Images

さらに、万引きなどの犯罪を犯した車両の情報をあらかじめ登録しておくことで、トラブルを未然に防ぐこともできる。指定のアドレスにアラートメールの配信設定をしておくことで、迅速な事前察知が可能だ。この仕組みを利用して、「重要顧客の来店を事前に知る」という使い方も考えられる。

駐車場設置は、一般的に、ゲート機が出入り口の2つで約600万円、ロック板は1台分で約30万円の費用がかかるが、スマートパークでは、カメラ本体とその設置費用を差し引いても、従来の駐車場より約100万円近く削減できるケースもある。

その他、地震や台風、火災などの災害時にもスムーズに出庫できるというメリットがある。従来の駐車場では、緊急時に機器が作動せず、避難したくてもできない、強行に出庫して車両が破損するといったトラブルが発生するリスクがあった。

「不正の横行」「プライバシーの侵害」。負のイメージをどう払拭するか?


数多くのメリットが考えられるスマートパークだが、今後果たして、駐車場の新常識となり得るのだろうか?

スマートパークのもつ「ゲートもロック板もない」「カメラでの読み取り機能により管理」という一見シンプルな特徴は、「不正の横行」「プライバシーの侵害」といった負のイメージが先行してしまいがちだ。そして、そのイメージが普及の障害となることが予想される。

しかし、上記で説明した通り、中身を見るとその実態は異なる。たしかに「プライバシーの侵害」という点に関しては、スマートパークのシステム上拭えないデメリットであり、従来の駐車場では議論されない問題であることは間違いない。だがプライバシー侵害に関しては、街中の監視カメラやインターネット上など、今ではあらゆる場所で起きる可能性がある。

また、仮に犯罪などのトラブルが起こったとしても、デジタル化された情報により後に起こる不正を防止できるなど、スマートパークには従来の駐車場では考えられなかったありあまるメリットがある。現状、デメリットよりもメリットの方が多く考えられるこのシステムが今後普及していくことは、デジタル化が進む現代においては必然的といえるだろう。

スマートパークは、システムの構造上、世の中に普及すればするほど不正防止につながり、安心・安全が強化されるサービスだ。

今後、大手施設や公共施設がスマートパークを導入し、安全性や利便性を立証したモデルケースが増えていけば、その普及率は格段に増えていくだろう。

文=長谷川 寧々 編集=石井 節子

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