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2020.10.05

ゲートもロック板もない駐車場 「スマートパーク」は浸透するか?

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近年、「ゲートもロック板もない駐車場」が、全国でじわじわと増えつつある。

それだけ聞くと、一見、無断出入庫といった不正が横行するのではないかと思ってしまう。しかし、こうした駐車場での不正は、従来のロックプレート付き駐車場よりもむしろ減少しているという。

なぜこのようなことが起こるのか? それは、単に日本人のモラルの高さが理由というだけではない。利用者にとっても施設側にとっても、スムーズに利用できる駐車場となるよう考慮しつつ、不正が起こらないよう技術対応がされたことにより実現したのだ。


「いつ、どこで、どの車」、すべてをデジタル化


施設付帯駐車場の運営管理を手掛ける企業、「ピットデザイン」が開発したカメラ式駐車場システム「スマートパーク」は、ゲートもロック板もない、新時代の駐車場システムだ。その仕組みはいたってシンプルで、入出庫時に、カメラが車両のナンバープレートをリアルタイムで読み取り、いつ、どこで、どの車が出入りしたかをデジタル管理するというもの。

支払いは、入庫時に車のナンバーを精算機に入力することで完了する。

また、同社は今年9月に、駐車場システムの付加機能として、スマホアプリで精算を可能とする新機能もリリース。これにより、「入庫時に精算機に立ち寄る」という唯一の手間も省き、スマホ上で精算機と同じ画面の流れで支払いができるようになった。

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運転に自信がない人も「ストレスフリー」に


スマートパークを導入することで期待できるメリットは、他にも多数ある。

まず、利用者にとっては「精算機に車を近づける」という操作をせずに駐車場を利用することができる。そのため、精算機に手が届かなかったり、精算機と車が接触するといった心配も必要ない。

また、従来の駐車場でありがちな駐車券の紛失もなければ、磁気不良で精算機が駐車券を読み取らないというストレスを抱えることもない。さらに、出庫時に渋滞が発生することもないため、いつでもスムーズな出庫が可能となる。

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文=長谷川 寧々 編集=石井 節子

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