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元新聞記者のダイバーシティ・レポート


こうして、「会場での臨場感」を取るか、「どこでも楽しめる気軽さ」を取るかという選択肢が生まれました。

「これから開く公演の中には、会場チケットは売り切れたものがあり、オンラインでも視聴できる良さを感じています。また動画配信ですと、アーティストの表情が近くで見られます。

問い合わせにも使えるチャットは、お客様と一体感を生み出すのに有効だと思います。会場では、演奏中に話せませんが、チャットはその場で感想を入れることができます。ひっきりなしに、チャットが盛り上がった演奏会もありました。寄せられたコメントを、舞台袖でアーティストに伝え、舞台上でリアクションすることも。久しぶりの演奏会ということもあり、アーティストも力が入っていますので、熱い空気が生まれます」

周知、コスト…助成金も活用


このように、プラスの面が多い生配信ですが、課題もあります。

「配信をしてみて、事故がないとは言えません。途切れてしまった場面もありました。改良のため毎日が勉強です」

また、十分に知られていないという現実もあります。8月のリビングルーム券の売れ行きは、期待には届かなかったとのこと。チャリティ演奏会の寄付も、これまでの10分の1ぐらいになってしまいますが、意義のある活動として続けていくそうです。

「6月に無観客公演をしたときは、配信でかなりのチケットが売れました。だんだん外出できるようになり、今は売れ行きは少ない状況です。今後は、PRして多くの人に見てもらうのが課題です」

会場公演と生配信と両方に取り組むことで、コストや人手はかなりかかっています。会場も、コロナの影響で、通常より案内を丁寧にしなければいけません。配信のほうも、撮影や技術面でコストがかかりますが、大沼さんは「コロナに関する国の助成金を含め、これからどうやって広げていくか模索していきます」と語ってくれました。


8月31日のチャリティコンサートより(c)三浦興一

連載:元新聞記者のダイバーシティ・レポート
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文=なかのかおり

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