経済・社会

2020.09.28 12:00

宇宙から大統領選挙に投票するNASAの女性飛行士、ケイト・ルビンス

NASAの宇宙飛行士ケイト・ルビンス(Bill Ingalls-NASA / by Getty Images)

NASAの宇宙飛行士ケイト・ルビンス(Bill Ingalls-NASA / by Getty Images)

NASAの宇宙飛行士ケイト・ルビンスは、10月に打ち上げ予定のロケットで6ヶ月間、宇宙に滞在するが、彼女は宇宙から米国大統領選挙に投票しようとしている。

9月25日のAP通信の取材に彼女は、「民主主義において参加することは非常に重要だ。宇宙から投票できることを名誉に思っている」と述べた。

宇宙飛行士のほぼ全てはヒューストン在住だが、1997年にテキサス州で可決された法案は、220マイル(約354キロ)の高度から投票を行うための技術的な手順を定めている。ヒューストンにあるNASAのミッション・コントロール・センターは、セキュアな電子投票用紙を宇宙飛行士に送り、宇宙から戻ってきた投票用紙をEメールで郡の書記官事務所に送信する。

NASAによると、投票プロセスは打ち上げの1年前から始まり、宇宙飛行士は参加したい選挙を選択し、選挙の6ヶ月前に不在者投票のリクエストを提出するという。NASAは「Vote Where You Float(自分が浮かんでいる場所から投票せよ)」というモットーを定めている。

ルビンスは2009年にNASAに入り、2016年の長期滞在プログラム「エクスペディション48」と49の一員として初の宇宙飛行を行った。彼女は7月のロケット発射から115日間の宇宙生活を送り、10月に地球に帰還するまでに2回、合計12時間46分の宇宙遊泳を行った。

微生物学者でもあるルビンスは、宇宙空間で初めてDNAシーケンスを行った人物としても知られている。次のミッションで彼女は、地球では不可能な低温を実現する「コールド・アトム・ラボ」を用いた研究や、心臓血管の実験を行う予定だ。

宇宙から初めて投票を行った米国人は、1997年のNASAの宇宙飛行士のデビッド・ウルフだった。「自分の惑星から離れていても、その星に大きな影響を与える小さなことを行える」と、彼はNPRの取材に述べていた。

編集=上田裕資

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