トランプの「政権交代拒否」姿勢を非難せず? 黙する共和党議員ら

Peter Zay/Anadolu Agency via Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領は9月23日に行った記者会見で、11月3日に行われる大統領選で敗北しても、平和的な政権交代に協力しない可能性があることを示唆した。それにもかかわらず、与党共和党の議員らは、大統領の発言を非難するどころか、直接コメントすることを避けている。

選挙結果を拒否する考えがあることを示した大統領に対し、与党の議員たちはただ、「米国の民主主義の骨格となる古くからの伝統を支持する」と述べるにとどまっている。

ミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州選出)はこの記者会見の後、「11月3日の選挙での勝者が、(来年)1月20日に就任することになる」とツイッターに投稿。だが、トランプについては言及せず、今回の選挙は郵便投票が多くなり、投票日の後に集計される票が増える見通しであることにも触れなかった。

マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)もトランプを批判することなく、「私たちが過去2世紀以上にわたってそうしてきたように、合法的かつ公正な選挙が行わる」「郵便投票に関連した遅れのために、(今回の選挙は)より長い時間がかかるかもしれない。だが、それは正当なものになる」とツイートした。

リズ・チェイニー下院議員(ワイオミング州)も、その他の共和党議員らに同調。「平和的な政権の移行は、わが国の共和制の存続に欠かせないものだ」と発言するにとどめている。

リンジー・グラハム上院議員(サウスカロライナ州)はFoxニュースのインタビューで、政権移行が平和的に行われることを“保証できる”と述べ、自身は「連邦最高裁判所が(民主党の大統領候補)ジョー・バイデンが勝利したと判断すれば、その結果を受け入れることを約束する」と語った。

共和党員の多くは、トランプの発言について沈黙を守っている。何らかのコメントをした議員たちのなかにも、大統領に圧力をかけるつもりがあることを示唆した人はいない。

これまでも回答を拒否


米誌アトランティックはこの記者会見が行われた日、トランプ陣営が「激戦の州での選挙結果の受け入れを回避する方法や、与党に忠実な選挙人を任命する方法について積極的に検討している」ことを報じた。
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編集=木内涼子

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