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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

にらみ付ける精悍な顔つきがいい

英国流スタイル・アイコンとして、カリスマ性あふれるディフェンダー。それは、まるで自動車界の巨匠ポール・スミスとウェリントン・ブーツを足して二で割ったような感じだ。斬新なデザインのファッションと、どの路面でも歩ける靴を合わせたような存在だから。

1948年に登場した初代ディフェンダーは、伝説的なオフローダーであり、英国の陸軍、警察、緊急隊、農家、エンスーなどと切っても切れない縁がある。はっきり言って、同国を代表するようなこのアイコンをデザインし直すのはとても難しく勇気がいる。しかし、ランドローバーがゼロから作り直した最新モデルは、非常に実用的、かつ、どこから見ても格好良いと思う。

ディフェンダー外観

今回は、72年ぶりに完全にフルモデルチェンジをした2代目のディフェンダーに乗ってみた。1948年から何度もマイナーチェンジを受けてきたものの、2016年には一旦生産中止になった。でも、フォードからジャガー・ランドローバーに移った2008年からは、技術とデザインがずいぶんと進化した。新しいディフェンダーを作るなら、どのライバルの走行性能や技術にも負けないほど、いやそれ以上の技術を誇るクルマを作るしかないという命令がトップから下されたのだった。

ということで、新ディフェンダーはこれでもかというぐらい最新技術オンパレードだ。まずはデザインは伝説的なエッジやシルエットのモチーフを加えながら、21世紀にマッチした、タフでスタイリッシュな外観に生まれ変わった。特徴的なヘッドライトはまるで生き物のように、まぶたがついた目のように見えるし、ブリスターフェンダーはマッチョなポイントだ。

横から見たディフェンダー

今回、デザインに対して、僕がクエスチョンマークをつけたのは、CピラーとDピラーの間の四角い物体だ。デザイン重視だということだけど、その意味がわからなかった。また、今までのラダーフレームの代わりに、全く新しいアルミ製モノコックボディと4輪独立懸架を採用して、その構造は従来モデルから大きく異なっている。

後ろから見たディフェンダー

本格的なオフローダー好きの中には、「えっ、ラダーフレームじゃないの?」と疑う人もいるらしいけど、実はこの新しいモノコックは、ランドローバーが今まで作ってきた中で最も硬いシャシーになるわけだ。また、リジッドアクスルから4輪独立懸架に変わった新サスペンションは、なんとどのライバルよりも多い500mmの伸び縮み量を誇る。

さらに、とりあえず当面日本で販売されるモデルは5ドアボディの「110」のみだけど同仕様の標準装備としてエアサスペンションがつく。(遅れて3ドアの「90」が上陸する見込みだ)。この優秀なエアサスと組み合わせられるのは、電子制御アクティブ・デフ付きフルタイム4WD、ダイナミック・スタビリティ・コントロール、トラクション・コントロールということで、なんと291mmまで車高が上げられるので、どのライバルよりも深い泥道での走りが優れているし、水深900mmまで走行できる。また、泥道などでは片方のタイヤが滑ってグリップを失ってしまったら場合、グリップしているタイヤに瞬間的にトルクが送られて安定性を保つ。

文=ピーター ライオン

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