ネットに登録した「古い電話番号」が悪用される重大リスク

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ネットサービスの登録に用いられた古い電話番号が原因で、新規でそのサービスに登録したユーザーが偶然、他人のアカウントにアクセスしてしまう事態が発生した。

マヤという名前のテック系企業に務める女性とその夫は先日、エアビーアンドビーの新規アカウントを作成したが、気がつくと彼らは全く見ず知らずの他人のアカウントに侵入していたという。

彼らは携帯電話番号を用いて、新規アカウントを作成したという。しかし、登録フォームに電話番号を入力し、認証コードを受け取ってログインすると、ノースキャロライナ州の女性のアカウントに入ってしまった。

彼らはアカウントの全ての情報にアクセス可能で、クレジットカード番号も確認可能になっていた。しかし、幸いなことにマヤたちはこれを悪用しようとは思わなかった。仮に、アクセスを行ったのが犯罪者であればカードを不正利用したり、ニセの予約を行うような悪事を働いていたはずだ。

一体なぜ、彼らが見ず知らずの他人のアカウントにログインしてしまったかというと、その携帯番号の前の持ち主が、古いアカウントの情報をそのままにしていたからだ。

マヤたちがセキュリティ系のイベントで話したところによると、利用登録を行う際に、その番号が古いアカウントに紐づいているという警告は無かったという。

彼女はこの問題が、たまたま発生したものかもしれないと思い、友人に頼んで同じ現象が起こるかを確認した。その結果、古い電話番号が紐づいたアカウントでは同じ現象が起こることが確認できたという。

しかし、古い電話番号の再利用は新しい問題ではない。電話番号の組み合わせは無限ではないため、通信キャリアは数十年も前から番号の使い回しを行ってきたのだ。

かつては、古い電話番号が引き起こすトラブルは、間違い電話などのちょっとした問題のみだった。しかし、現代ではこの問題は、非常に深刻なダメージにつながる可能性がある。登録の際に用いた古い電話番号をそのままにしていると、その番号に紐づく端末を入手して第三者が、データを盗み出すかもしれないのだ。

エアビーアンドビーによると今回のような現象は、同社のプラットフォーム上ではごく少数のユーザーのみで確認されており、既に適切な対処を行ったという。

しかし、Eメールアドレスや電話番号などの個人データの重要性は非常に高まっており、慎重な取り扱いを行うことが望ましい。ネットサービスを利用する際には、常に最新の電話番号を登録することを心がけよう。

古い電話番号を放置しておくと、ハッカーに狙われる確率が高まることを覚えておきたい。

編集=上田裕資

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